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大津のクレバーなDF金子遼太郎は動画でも“魅せた”技巧派。「武器」を絶対的なものにして上のステージへ

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大津高DF金子遼太郎はキック精度や視野の広さを絶対的な「武器」に

[2020シーズンへ向けて](※大津高の協力により、電話取材をさせて頂いています)

 駆け引きの巧さなど、クレバーな守備が光る実力派のストッパー。元々ボランチで、左右両足から精度の高いキックを繰り出すDF金子遼太郎(3年)は、より突き抜けた「武器」を求めている。

 昨年、2年生ながら名門・大津高(熊本)のレギュラーに定着。プレミアリーグWESTの18試合中17試合で先発出場した。先輩CB立野航海のサポートを受けながら思い切り良くプレーした金子は、公立校の大津にとって過去最高の4位に入る立て役者の一人に。今年は3バックの左サイドに入って攻守両面で存在感を放ち、2月の九州高校新人大会(U-17大会)優勝に貢献している。

 ただし、現状に満足はしていない。「もっとキックの部分や体つきなど、目立った武器がないので、武器を作って大学に行けるようにしたいと思っています」。選手層厚い大津では、読みを活かした守備を評価されて入学当初からCBを務める。それによって守備がレベルアップしたことも確か。だが、登録身長は180cmでCBとしては特別な身体面を持っている訳ではないため、将来はボランチとしてプレーすることも考えている。上のステージを目指す上で必要なものは、やはり「武器」だ。

 金子は熊本県立教育センターの「熊本の子供たちへ『スポーツを通して子供たちに夢を!メッセージプロジェクト』」で10番MF森田大智(2年)とともにリフティング動画を披露。平岡和徳総監督も認める足技によって、新型コロナウイルスに負けじと夢へ向かって努力する子供たちに刺激を与えている(他に平岡総監督やプロ野球・ヤクルトの村上宗隆、バレーボール女子日本代表の古賀紗理那のメッセージ動画やトレーニング動画を配信)。

 ここで華麗なリフティングテクニックを魅せているように、金子の特長の一つは巧さ。ヴィテス福岡FC時代は「裏にスルーパス出してアシストするのが形でした」というプレースタイルのボランチだった。MF中村憲剛(川崎F)のようなスルーパスを出せる選手が目標とする姿。その金子は、個を磨くために進学したという大津で、キックや視野の広さを「武器」と言い切れるモノにして卒業する考えだ。

 新型コロナウイルスによる休校期間は長距離走や体幹トレ、そして左足の強化に時間を割いた。3バックのために攻め上がる回数も多く、「(左サイドのため)左足のタッチは重要になってくる。右足と同じくらいの感覚まで持っていきたい」と判断。左足のドリブルやキックを精力的に磨き、レベルアップさせている。

「今年は(攻撃で)上がっていった時に得点に絡んだりということを目標にしてやっていきたいと思っています。(守備では) 九州では一回も負けずに1年を通してやっていきたいと思っています」。インターハイが中止となり、アピールする機会は少なくなっているが、目の前の練習・試合に全力で取り組んでさらに進化し、評価も高める。

 大目標は、チームメートや平岡総監督ら指導陣とともに選手権で全国制覇すること。そして、「(家族が)自分のことにお金を使ってくれているので、結果として恩返しできればと思います」と意気込んでいる。新人戦ではDF猪谷匠(3年)、DF本多陸也(3年)とともに堅守を発揮しているが、全国制覇するためにグループ、チームとしても「もう一つレベルを上げていきたい」と欲を持って一日一日を過ごす。

(取材・文 吉田太郎)
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