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選手権へ向けて代替大会も「勝ちに行きます」。徳島北が徳島文理に5-0快勝

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徳島北高のMF豊田雄也主将は突破力を示して快勝に貢献

[7.5 徳島高校総体代替大会2回戦 徳島文理高 0-5 徳島北高 徳島市立高G]

 徳島県高校総体代替大会のサッカー競技は5日に2回戦を行い、徳島北高が徳島文理高に5-0で快勝した。

 通常のインターハイ予選とは違い、王者となっても全国行きの権利は掴めないが、徳島北の大会に懸ける想いは強い。「勝ちに行きます。普段チャンスがない3年生も試合に出しますが、勝ちに行く前提での起用。せっかく徳島市立もベストメンバーで挑んでくれているので、ウチもちゃんと戦って勝てれば選手権予選へのモチベーションも上がる。絶対に負けないという気持ちでやりたい」と話すのは、就任2年目の久次米尚和監督だ。

 試合は立ち上がりから、徳島北ペースで進んだ。DF東純ノ介(3年)と東條紘河(3年)のCBコンビにMF濱崎遼真(1年)が絡んだボール回しでゲームの主導権を握った。

 相手エリアでは「ただボールを持つだけでは次に繋がらないので、できるだけ意識を高く持ってやろうと伝えていた」(久次米監督)と上位勢との対戦を見据え、サイドからの崩しを徹底。久次米監督が「うちのストロングポイント。アイツが良い形でボールを受けるとチャンスができる」と説明する主将のMF豊田雄也(3年)と吉岡浩太郎(3年)が左右を積極的に仕掛けて攻撃のリズムを作った。

 すると、前半10分には中盤からの縦パスを受けたFW玉木慎太郎(3年)のヒールパスを、後方から飛び出したMF石飛晴輝(3年)が決めて先制に成功。直後の11分には左を抜け出した豊田のパスがオウンゴールを誘った。さらに20分には相手のクリアを高い位置で拾った濱崎がミドルシュートを叩き込むと、23分にもCKから4点目を奪い、試合の大勢を決めた。

 メンバー全員を入れ替えて挑んだ後半も徳島北の流れは変わらず、12分には縦とのパス交換からMF浦屋駿(2年)が5点目をマーク。徳島文理もMF森川日翔(2年)やMF近藤大斗(2年)が中盤から反撃を試みたが、ゴール前まで持ち込めず、5-0で徳島北が勝利した。

 徳島北は「収穫よりもチームとしての課題の方が見つかった試合。個人としてもボールタッチに納得いかなかった。もっと自分でシュートを打ちに行けたと思う」と豊田が口にする一方で、選手はサッカーができる喜びを噛みしめている。「活動休止中は一人で練習するしかなく、連携で崩したり仲間とボールを蹴れなかった。昨日と今日の試合で仲間と一緒に良いプレーができる楽しみを改めて感じた」と話すのは豊田。大会前に行った練習試合とは違い、インターハイ予選の代替大会とはいえ、より真剣さが増す相手と対戦できる喜びも感じたという。

 楽しむ心を持ちながらも、勝利への欲望も忘れてはいない。豊田は「全国大会に繋がらない大会だけど、優勝したい。でも、それ以上に選手権へと繋げるため『北高は強い』と相手にイメージを植え付けたい。そのために支配する試合を増やしたい」と口にする。順調に勝ち進めば、準決勝で徳島市立高と対戦する。昨年度の選手権予選は0-1で敗戦。今大会の直前にも練習試合でも僅差で敗れているため、「絶対に負けられない」(豊田)。強い徳島北の姿を印象付けるためにも、内容とスコアで凌駕するつもりだ。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2020

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