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「見て欲しい」決定力を発揮。流経大柏は怪我から復調のエースFW森山一斗が2発

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流通経済大柏高のエースFW森山一斗は2得点の活躍

[7.19 練習試合 流通経済大柏高 4-0 明秀日立高 流通経済大柏高G]

 エースが再び躍動し始めている。流通経済大柏高(千葉)は練習試合1本目3分にFW森山一斗(3年)が先制ゴール。右SB清宮優希(3年)からの低い弾道のクロスを胸でコントロールすると、DFの股間を通す右足シュートで先制点を奪った。

 さらに2本目13分には、相手のバックパスを狙ってインターセプト。そのままニア上にシュートを突き刺した。「最近、守備も意識していて、狙っているところにボールが来ました。あとは決めるだけだったので、そこでちゃんと決められたので良かったです」と振り返るゴール。対外試合再開初戦(7月12日)だった鹿島ユース戦の3アシストに続き、エースが再び結果を残した。

 この日は相手の重心が低い中、得意のドリブルで切れ込むシーンはわずか。それでも同じく得意としている抜け出しを狙ってDFと駆け引きし、ショートコンビネーションからDFラインを突破するなど怖さを示していた。

 ドリブルの切れ味は世代屈指だ。一瞬の加速でDF1人、2人を振り切り、そのままゴールネットを揺らす力がある。ただし、長い距離をドリブルすることの多かった以前と比べ、引いてボールを受ける回数自体が減少。「エノさん(榎本雅大監督)にも、FWやからあんま下がりすぎず、DFとめっちゃ勝負しろと言われている。DFと勝負する回数を増やしています」という。

 シンプルにボールを動かすことを意識しながら、最後の局面で勝負。個、グループで相手の守りを崩し、「シュートが一番得意というか、得点を決めるところで評価されてきていると思うので、そこは見て欲しい」という強みを発揮することを考えている。昨年はプレミアリーグEASTで9ゴールを挙げているが、今年、流経大柏のエースは開催される公式戦でより決定力を発揮していく。
 
 足首の怪我の怖さはなくなっているようだ。新型コロナウイルス感染拡大による活動自粛期間に地元・大阪へ戻り、治療と足の指を上手く使うことやボールの受け方に特化したトレーニング。帰省前にあった足裏の痛みも全くないという。状態を戻して6月からのチーム活動に参加している森山は、まだまだコンディションを上げていきそうだ。

 昨年の悔しさがエネルギーになっている。プレミアリーグでゴールを連発し、活躍の期待された選手権予選開幕直前に右足首を負傷。そこから決勝の1試合を見据えて調整し、市立船橋高との決勝で先発復帰した。だが、思うようなプレーができないまま後半途中交代。チームは2-3で敗れ、全国大会に駒を進めることができなかった。

「エースとして点取れなかったし、向こうは(エースの鈴木)唯人君(現清水)が点を取っていたので悔しかった。今年の選手権は誰よりも気持ちがあるので、1試合1点をベースにやっていければ良いと思っています」。悔しさも力に復調してきたエースは今年、“止められない存在”になって選手権に臨み、ゴール・アシストでチームを勝たせる。

(取材・文 吉田太郎)
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