188cmの高さ、快足、そして柔らかさも合わせ持つ「大器」。復活期す国見のエースFW中島大嘉が2発
[7.23 練習試合 米子北高 2-2(PK4-1)国見高 東郷運動公園]
Jクラブのスカウトが多数訪れ、熱視線を送る前でポテンシャルの高さを見せつけた。7月23日の米子北高との練習試合で2得点を挙げた国見高FW中島大嘉(なかしま・たいか、3年)は、復活を目指す国見のエースストライカーとしてプロ注目の存在だ。
米子北戦の1点目は前半19分、左からのパスをうまくコントロールし、素早く持ち出して先制ゴールを決めた。1-2と逆転されて迎えた後半28分には、CKにヘッドで合わせて同点ゴール。直後の決定機を外して「ああいうチャンスを集中して決めないと」と反省したものの、それぞれ特徴を発揮しての2得点だった。
188cm、77kgの体格も目を引くが、走り始めるとスピードにも目を奪われる。「50mは手動計測で5秒8から6秒フラット」と本人が語る速さは、初速も、スピードに乗ってからも相手の脅威で、大柄だがボールタッチも柔らかい。1点目は「ファーストタッチを良いところに置けた」と語るコントロールからの加速、2点目は相手守備陣に囲まれながらも頭一つ抜け出した高さで勝負を決めた。あるJ1クラブのスカウトも「あれだけのサイズがあるのに、動きが鋭い。伸びしろがありますね」と高く評価する。
大阪府で生まれ育ち、中学時代は地元のRIP ACE SCでプレーしたが、国見とは縁があった。両親が国見町の国見中出身で、父の優さんは国見高サッカー部でプレー。アビスパ福岡や大分トリニータなどでプレーしたMF小森田友明、現在国見を率いている木藤健太監督と同期で、選手権にも出場している。
両親の故郷で挑戦を始め、1年時は試合に絡むことができなかったが、CBやSB、サイドハーフ、トップ下などを経験。「CBをやったとき、相手のFWに動かれると“ウザい”ことが分かりました。サイドハーフのときにFWに対して感じたことも、いま意識している」と言うように、FWに戻ってからの成長の糧としてきた。
スピードにも磨きをかけた。「クリスティアーノ・ロナウドの走り方や、自分の走り方を動画で見て研究したり、ラダーを使ったトレーニングで細かいステップを早くした」と明かす努力の成果で、「高校に入って初速が上がり、プロでも通用すると感じる武器になってきた」と手応えをつかんでいる。
今年3月に湘南ベルマーレの練習に参加したのを機に、意識をより高く持つようになったという。「プロのスピード感やテンポの中で、自分の武器である速さや高さをあまり生かせていないと感じました。それまではプロの基準が分からず、高校年代の試合では身体能力に甘えていた面がありましたが、武器の使い方を覚えなければいけないと思って、意識がガラッと変わった」。その後は高校年代を相手にしたプレー内容に一喜一憂せず、プロを見据えた高いレベルを自分に求めている。
木藤監督は2年から3年にかけての成長を「あのサイズでスピードを発揮できるようになった。また以前はプレーが1回で終わっていたのが、連続してできるようになってきた」と語る。基本技術や体の使い方も成長の跡が見られるが、本人には「調子が悪いときに、どういうプレーができるか。また、守備への貢献などチームプレーをしっかりやって、自分の良さをチームに生かしてもらうことを意識してほしい」と伝え、さらなる成長を促している。
プロへの視界は徐々に広がっているが、その前に高校サッカーで結果を残したいと闘志を燃やす。
「国見に来てよかったです。最後に国見で勝ちたい」
選手権は、高校で一度も果たせていない全国大会出場へのラストチャンス。自らのゴールで、国見復活を告げる10年ぶり24回目の出場権を勝ち取る。
(取材・文 石倉利英)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020
Jクラブのスカウトが多数訪れ、熱視線を送る前でポテンシャルの高さを見せつけた。7月23日の米子北高との練習試合で2得点を挙げた国見高FW中島大嘉(なかしま・たいか、3年)は、復活を目指す国見のエースストライカーとしてプロ注目の存在だ。
米子北戦の1点目は前半19分、左からのパスをうまくコントロールし、素早く持ち出して先制ゴールを決めた。1-2と逆転されて迎えた後半28分には、CKにヘッドで合わせて同点ゴール。直後の決定機を外して「ああいうチャンスを集中して決めないと」と反省したものの、それぞれ特徴を発揮しての2得点だった。
188cm、77kgの体格も目を引くが、走り始めるとスピードにも目を奪われる。「50mは手動計測で5秒8から6秒フラット」と本人が語る速さは、初速も、スピードに乗ってからも相手の脅威で、大柄だがボールタッチも柔らかい。1点目は「ファーストタッチを良いところに置けた」と語るコントロールからの加速、2点目は相手守備陣に囲まれながらも頭一つ抜け出した高さで勝負を決めた。あるJ1クラブのスカウトも「あれだけのサイズがあるのに、動きが鋭い。伸びしろがありますね」と高く評価する。
大阪府で生まれ育ち、中学時代は地元のRIP ACE SCでプレーしたが、国見とは縁があった。両親が国見町の国見中出身で、父の優さんは国見高サッカー部でプレー。アビスパ福岡や大分トリニータなどでプレーしたMF小森田友明、現在国見を率いている木藤健太監督と同期で、選手権にも出場している。
両親の故郷で挑戦を始め、1年時は試合に絡むことができなかったが、CBやSB、サイドハーフ、トップ下などを経験。「CBをやったとき、相手のFWに動かれると“ウザい”ことが分かりました。サイドハーフのときにFWに対して感じたことも、いま意識している」と言うように、FWに戻ってからの成長の糧としてきた。
スピードにも磨きをかけた。「クリスティアーノ・ロナウドの走り方や、自分の走り方を動画で見て研究したり、ラダーを使ったトレーニングで細かいステップを早くした」と明かす努力の成果で、「高校に入って初速が上がり、プロでも通用すると感じる武器になってきた」と手応えをつかんでいる。
今年3月に湘南ベルマーレの練習に参加したのを機に、意識をより高く持つようになったという。「プロのスピード感やテンポの中で、自分の武器である速さや高さをあまり生かせていないと感じました。それまではプロの基準が分からず、高校年代の試合では身体能力に甘えていた面がありましたが、武器の使い方を覚えなければいけないと思って、意識がガラッと変わった」。その後は高校年代を相手にしたプレー内容に一喜一憂せず、プロを見据えた高いレベルを自分に求めている。
木藤監督は2年から3年にかけての成長を「あのサイズでスピードを発揮できるようになった。また以前はプレーが1回で終わっていたのが、連続してできるようになってきた」と語る。基本技術や体の使い方も成長の跡が見られるが、本人には「調子が悪いときに、どういうプレーができるか。また、守備への貢献などチームプレーをしっかりやって、自分の良さをチームに生かしてもらうことを意識してほしい」と伝え、さらなる成長を促している。
プロへの視界は徐々に広がっているが、その前に高校サッカーで結果を残したいと闘志を燃やす。
「国見に来てよかったです。最後に国見で勝ちたい」
選手権は、高校で一度も果たせていない全国大会出場へのラストチャンス。自らのゴールで、国見復活を告げる10年ぶり24回目の出場権を勝ち取る。
(取材・文 石倉利英)
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