beacon

静岡学園DF田邉秀斗は「自分の速さを一番活かせる場所」SBで強烈な存在へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

静岡学園高の高速SB田邉秀斗がクロス

[7.23 ULTIMA開幕戦 静岡学園高 1-3 尚志高 フジスパークフィールド]

 U-18日本代表のDFは「自分の速さを一番活かせる場所」で進化し、強烈な存在になることを目指している。静岡学園高DF田邉秀斗(3年)はこの日、左SBとして先発フル出場。前方にスペースのあった前半は長い距離を走り抜けてクロスを上げたり、コンビネーションで局面を攻略したりしていた。

 後半は相手のサイドプレーヤー2人が、田邉の縦突破を警戒。だが、「1タッチ目で中に切れ込んでというのが効いていた」という田邉は、相手の状況に応じたプレーで攻撃に厚みを加えていた。

 元々CBで昨年はシーズン開幕時に左SB。そして、シーズン半ばから右SBへ転向し、選手権では静岡学園にとって24年ぶりとなる全国制覇に貢献した。圧倒的なスピード、対人の強さに加え、静岡学園で磨かれた技術力によって注目度も向上。U-18日本代表、日本高校選抜に選出され、国際試合も経験した。

 昨年は豪快な攻め上がりを見せていたが、一方で前方に構えていた強力ドリブラー、MF松村優太(現鹿島)やMF小山尚紀に任せていた部分も多かった。彼らが卒業した今年、自分がサイドの突破口、止まらない選手になるつもりでいる。

「去年は小山さんや松村さんに任せっきりな部分があったので、今年は『自分がやってやろう』という気持ちで自信もついてきています。技術もまだ足りないところがあるので、そこは磨いていって、絶対に1対1は負けないくらいで。SHの選手くらいの突破をやっていきたい。今日も2、3人に縦を切られていた中で自分の手応えでは縦突破とか抜き切ることができていたので、縦を切られていてもこじ開けていきたい」と力を込めた。

 田邉はSBでラインコントロールも。「攻守に頭を使わないといけない。サッカー脳を鍛えられる」ポジションで、サッカー選手として成長できる実感があるようだ。経験値の部分もあり、これまでよりも余裕を持ってプレーできるようになっている田邉は、さらに特長を発揮することや攻守でより気配り・心配りすること、できるプレーを増やすことに取り組んでいく。
 
 この日は守備時に戻り切る部分などを反省。プロ入り濃厚のSBは強豪対決でも存在感のある動きを見せていたが、クロスの精度向上などまだまだやるべきことがある。コンディションをより高め、個人とチームを貪欲にレベルアップさせること。そして、選手権やJリーグの舞台で、注目SBがサイドで躍動する。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020

TOP