beacon

[MOM3179]青森山田FW名須川真光(2年)_先輩FW離脱で芽生えた自覚。準備し、全力プレー続けて結果

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半21分、青森山田高の2年生FW名須川真光が先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.4 和倉ユース大会準決勝 青森山田高 3-0 日大藤沢高 和倉多目的G(Aコート)]

「最初、ナベルさんが怪我した時に自分背負っていけるのかなと思って、ずっと怖くて……、点を決めれなくて、みんなに『ナベルの方が良い』とずっと言われていてショックもあったんですけれども、自分がここで逃げてはいけないと思ってずっと頑張っていました」

 青森山田高は1トップの主力FW古澤ナベル慈宇(3年)が総体代替大会決勝で負傷し、離脱中。その試合の後半から1トップで起用されているのが、2年生FW名須川真光だ。

 総体代替大会決勝ではがむしゃらな動きがチームに好影響を与えているように映った。身体の強さや献身的な攻守も印象的。だが、技術力はまだまだで、ナベルのように前線でボールを収めてチームが押し上げる時間を作り続けることができていなかった。

 加えて、決定的なシーンに絡むものの、ゴールが遠い状況。それでも、現在は覚悟が「決まっています」という名須川は逃げずに、全力でプレーすることを心掛けて結果をもぎ取って見せた。

 前半21分、青森山田は左CKから左SBタビナス・ポール(3年)がヘディングシュート。名須川はDFに当たってこぼれたボールをコントロールし、右足でゴールへねじ込んだ。「ダイレクトで打った方が良かったかもしれないですけれども、トラップして(落ち着いて)決めることができた」。待望のゴールに名須川は飛び上がってガッツポーズ。笑顔で先輩や同級生が2年生FWの下へ集まり、祝福していた。

「ここまでずっと予選から結果を出せなくて、自分でもFWとしてやっていけるのかなと思っていたんですけれども、取れて嬉しいです」

 名須川は、後半16分にもゴール前で冷静に体勢の良いMF藤森颯太(2年)を活用し、3点目のゴールをアシスト。黒田剛監督はヘディング、ボールを収める部分を発揮しつつある名須川の成長を認めた上でより高みを求めていた。

 本人はチームの勝利のため、自分自身が活躍するために意識が変わってきている。『良いパフォーマンスができるように、マッサージとかアイシングもちゃんとやって変わってきました」。準備の段階から変化し、試合の中で献身的なプレーを継続。結果も出し始めていることは、他の2年生や出番に飢えている3年生にも好影響を与えそうだ。

 名須川は先輩FWのアクシデントで訪れた先発機会を死守することを考えている。もう迷うことはない。自覚と責任感を持って地道に自分の全力を出し続け、チームにとって欠かせないFWになる。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
第8回和倉ユースサッカー大会2020特設ページ
●【特設】高校選手権2020

TOP