[RYUKEI CUP U-18]流経大柏が尚志に劇的勝利。昨夏糧に成長のMF宇津木が運動量、“目”でチーム支える
[8.17 RYUKEI CUP U-18 流通経済大柏高2-1尚志高 RKUフットボールフィールドA]
「2020 RYUKEI CUP U-18」初日に流通経済大柏高(千葉)と尚志高(福島)が激突。後半終了間際にFW川畑優翔(2年)が決勝点を挙げ、流経大柏が2-1で勝利した。
昨年はともにプレミアリーグEASTに所属した両校。直接対決の成績は流経大柏の1勝1分で、流経大柏は最終順位が7位、尚志は勝ち点2差で10位降格となった。2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響によって限定リーグとなるため、今年、流経大柏はプレミアリーグ2020関東、尚志はスーパープリンスリーグ2020東北をそれぞれ戦う。その2校の戦いは流経大柏が制した。
ともにU-18日本代表のMF藤井海和主将(3年)やGK松原颯汰(3年)が先発した流経大柏は前半10分、相手ハンドで得たPKをエースFW森山一斗(3年)が右足で決めて先制。22分には中央で1タッチのパスワークから右サイドへ展開し、右の快足SB清宮優希(3年)がクロスを入れる。そして、左SB田村陸(3年)の折り返しに川畑が決定的な形で飛び込んだ。前線で存在感を放つ川畑がシュートを連発。押し気味に試合を進める。
一方の尚志は山形内定、特別指定されているFW阿部要門(3年)と怪我のU-17日本代表CBチェイス・アンリ(2年)、中盤の要・MF松尾春希(2年)らが不在。その中でもボール支配、強度の部分などで流経大柏に十分対抗していた印象だ。
尚志は3バックでスタートし、MF渡邉光陽(3年)を最終ラインへ落として4バックへとスイッチすると、後半に主導権を握った。6分にはMF伊藤新之助(3年)の左足シュートがクロスバーをヒット。7分にはショートカウンターからMF原田史葉(2年)のパスを受けたMF菅野稜斗(3年)が右足で流経大柏ゴールを破った。
ともにボールを奪うとポゼッションからスピードアップ。1-1となった後は互いに決定打を打てない展開が続いたが、藤井や「(序盤は)暑さに負けている自分がいたんですけれども、1点取れて、後半追いつかれた時に、福島の遠征のときでも後半が課題だったので、そこは踏ん張って(残り15分で)CBになってからも絶対に失点しないという気持ちでやっていました」というMF宇津木脩人(3年)の運動量、集中力、そして“味方の穴を見つける目”を支えに戦う流経大柏が試合終盤に速攻からチャンスの数を増やす。
22分、清宮のスピードを活用した攻撃から田村がクロスバー直撃の左足シュート。また川畑が右足ミドルを打ち込むなど攻めると、アディショナルタイムだ。清宮のスルーパスから川畑が滞空時間の長いループシュートを決めて勝ち越し。尚志も終了間際にDF神林翼(3年)が決定的なヘッドを放ったものの、流経大柏が2-1で勝利している。
流経大柏の勝利に貢献した宇津木は、今年に懸けている選手の一人だ。昨年のインターハイ予選決勝、3-2とリードした後半終了間際に守備固めとして投入された宇津木だが、直後にPKを献上してしまう。チームは優勝目前で同点に追いつかれ、延長戦へ。宇津木は上手く試合に入ることができないまま、延長後半に交代。その後、流経大柏は決勝点を奪われ、全国出場を逃している。
宇津木は「今でも毎回思い出します。自分のせいで去年の先輩には迷惑をかけちゃったし、今年はコロナでインハイがなくなってしまったんですけれども、選手権が残っているので去年の先輩の分までそこは頑張って見せたいなと思っています」。これまで課題とされていたのは精神的に波のあった部分。今は意識してきたことで集中力が高まり、明らかに変化している。
「今年はもうフテっている暇はないなと。イラつくことも最近ないですし、自分でもそこは変わったかなと思います。キツくても逆に(後輩たちに)声をかけられるような選手になりたい」という宇津木はこの日、暑さで集中力が切れそうな試合終盤でも相手の攻撃を跳ね返し続けた。そして、コーチ陣も高く評価する“目の良さ”。流経大柏を“目”と潰しの強さなどで支える万能型MF宇津木の今年の目標は全国制覇だ。自分のミスを責めることなく、接してくれた先輩たちに結果で恩返しする。
(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020
「2020 RYUKEI CUP U-18」初日に流通経済大柏高(千葉)と尚志高(福島)が激突。後半終了間際にFW川畑優翔(2年)が決勝点を挙げ、流経大柏が2-1で勝利した。
昨年はともにプレミアリーグEASTに所属した両校。直接対決の成績は流経大柏の1勝1分で、流経大柏は最終順位が7位、尚志は勝ち点2差で10位降格となった。2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響によって限定リーグとなるため、今年、流経大柏はプレミアリーグ2020関東、尚志はスーパープリンスリーグ2020東北をそれぞれ戦う。その2校の戦いは流経大柏が制した。
ともにU-18日本代表のMF藤井海和主将(3年)やGK松原颯汰(3年)が先発した流経大柏は前半10分、相手ハンドで得たPKをエースFW森山一斗(3年)が右足で決めて先制。22分には中央で1タッチのパスワークから右サイドへ展開し、右の快足SB清宮優希(3年)がクロスを入れる。そして、左SB田村陸(3年)の折り返しに川畑が決定的な形で飛び込んだ。前線で存在感を放つ川畑がシュートを連発。押し気味に試合を進める。
一方の尚志は山形内定、特別指定されているFW阿部要門(3年)と怪我のU-17日本代表CBチェイス・アンリ(2年)、中盤の要・MF松尾春希(2年)らが不在。その中でもボール支配、強度の部分などで流経大柏に十分対抗していた印象だ。
尚志は3バックでスタートし、MF渡邉光陽(3年)を最終ラインへ落として4バックへとスイッチすると、後半に主導権を握った。6分にはMF伊藤新之助(3年)の左足シュートがクロスバーをヒット。7分にはショートカウンターからMF原田史葉(2年)のパスを受けたMF菅野稜斗(3年)が右足で流経大柏ゴールを破った。
ともにボールを奪うとポゼッションからスピードアップ。1-1となった後は互いに決定打を打てない展開が続いたが、藤井や「(序盤は)暑さに負けている自分がいたんですけれども、1点取れて、後半追いつかれた時に、福島の遠征のときでも後半が課題だったので、そこは踏ん張って(残り15分で)CBになってからも絶対に失点しないという気持ちでやっていました」というMF宇津木脩人(3年)の運動量、集中力、そして“味方の穴を見つける目”を支えに戦う流経大柏が試合終盤に速攻からチャンスの数を増やす。
22分、清宮のスピードを活用した攻撃から田村がクロスバー直撃の左足シュート。また川畑が右足ミドルを打ち込むなど攻めると、アディショナルタイムだ。清宮のスルーパスから川畑が滞空時間の長いループシュートを決めて勝ち越し。尚志も終了間際にDF神林翼(3年)が決定的なヘッドを放ったものの、流経大柏が2-1で勝利している。
流経大柏の勝利に貢献した宇津木は、今年に懸けている選手の一人だ。昨年のインターハイ予選決勝、3-2とリードした後半終了間際に守備固めとして投入された宇津木だが、直後にPKを献上してしまう。チームは優勝目前で同点に追いつかれ、延長戦へ。宇津木は上手く試合に入ることができないまま、延長後半に交代。その後、流経大柏は決勝点を奪われ、全国出場を逃している。
宇津木は「今でも毎回思い出します。自分のせいで去年の先輩には迷惑をかけちゃったし、今年はコロナでインハイがなくなってしまったんですけれども、選手権が残っているので去年の先輩の分までそこは頑張って見せたいなと思っています」。これまで課題とされていたのは精神的に波のあった部分。今は意識してきたことで集中力が高まり、明らかに変化している。
「今年はもうフテっている暇はないなと。イラつくことも最近ないですし、自分でもそこは変わったかなと思います。キツくても逆に(後輩たちに)声をかけられるような選手になりたい」という宇津木はこの日、暑さで集中力が切れそうな試合終盤でも相手の攻撃を跳ね返し続けた。そして、コーチ陣も高く評価する“目の良さ”。流経大柏を“目”と潰しの強さなどで支える万能型MF宇津木の今年の目標は全国制覇だ。自分のミスを責めることなく、接してくれた先輩たちに結果で恩返しする。
(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020