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青森山田MF安斎颯馬は1人でシュート9本放つも“不満の”3得点。「全部決める気持ちで」臨み、絶対的な存在へ

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後半19分、青森山田高のゴールハンター、MF安斎颯馬がGKをかわして3得点目。だが、試合後は反省していた

[8.30 スーパープリンスリーグ東北第1節 青森山田高 13-1 秋田U-18 青森山田高G] 

 スーパープリンスリーグ東北初戦でハットトリック。青森山田高のゴールハンター、MF安斎颯馬(3年)はまずインパクトのある結果を残した。前半はサイド攻撃からのフィニッシュで2発。そして、後半19分には相手のミスを逃さずにDFからインターセプトし、最後はGKをかわして左足で3点目を決めた。

 前日に腰を痛めたという安斎だが、初戦に絶対出るという決意で先発出場。「運動量は他の試合に比べたら半分くらいしか出せていない」と首を振る。それでも、「山田は違いを見せていく。入りからやっていくという思いだった」という安斎はチームメートとともに立ち上がりから相手に圧力をかけ続け、その献身的な攻守と技術力で大勝に貢献した。

 試合後、安斎は改めて出た課題の改善を誓っていた。「自分の一番の課題は決定力。苦しい試合こそ決めないといけない場面はいっぱい出てくると思う。きょうも1試合9本シュートを打っていて、3点しか取れていない。数打って何本か入れるというよりも、全部決める気持ちでいかないといけない」。1人でシュート9本を放っているのは、実力があるからこそ。だが、活動量の多さと巧さ、アイディアでシュートまで持ち込みながら、“惜しい”で終わっているシーンが多いことも確かだ。

 最後の精度を高めなければチームを救うことはできない。7月の総体代替大会決勝でもGKをかわしながら、シュートを外すシーンがあっただけに、その課題を改善することを目指していく。

 FC東京U-15深川からU-18チームに昇格することができなかった。走力、体力の課題を克服するために青森山田へ進学。MF天笠泰輝(現群馬)ら先輩たちの姿を見て「山田でプレーするには上手いだけじゃ戦っていけないと思った」と悟り、ボールを奪う力も精力的に高めてきた。昨年までは怪我に悩まされ、主に交代出場。チームメートのU-18日本代表CB藤原優大主将(3年、浦和内定)やU-17日本代表MF松木玖生(2年)に比べると知名度で劣るが、今年はチームの中心選手としての自覚がある。

「もっと欠かせない存在っていう選手になっていかないといけないと思いますし、(松木)玖生、(藤原)優大に負けず、自分のチームにしていきたい」。同じくシャドーでプレーする松木はこの日、シュート3本で3得点。自分も精度をより高めて、青森山田にとってより欠かせない存在になる。

(取材・文 吉田太郎)
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