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徳島内定FW西野太陽と逸材2年生FW木原励。京都橘を牽引するダブルエース

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京都橘高を牽引する強力2トップ、徳島内定FW西野太陽)と2年生の逸材FW木原励

[8.29 スーパープリンスリーグ関西第1節 京都橘高 6-0 金光大阪高 YANAGIフィールド]

 高円宮杯JFA U-18サッカースーパープリンスリーグ2020関西の開幕戦で、京都橘高(京都)は金光大阪高(大阪)に6-0で勝利した。前半6分にMF鎌田翔大(2年)が先制点をあげ、その後も着実にゴールを重ねて好スタートを切ったが、中でも目を引いたのが西野太陽(3年、徳島内定)と木原励(2年)の2トップだ。

 10時キックオフと炎天下での試合で、6人交代可能なレギュレーション。それぞれのコンディションも考慮して、リザーブからのスタートとなった2人は後半開始から登場。「早い時間帯で(鎌田)翔太が先制点を取って3点リードだったので、自分たちは試合に入りやすかった」(西野)という状況でピッチに立つと、高い存在感を見せつける。7分に木原が左サイドからのパスを受けて右足を振り抜いて4-0とすると、31分には西野がドリブルで持ち込んで右足で決めた。このアベックゴール以外でも、味方からのパスを受けて起点となり、ゴールへ向かうプレーで迫力を見せている。

 試合後、西野はまず「ずっと公式戦がなくて、みんなウズウズしていた。インターハイが無くなってしまったこともあって、この大会にかける思いは強いです」とスーパープリンスリーグが開幕した喜びを口にした。そして「今年は点を取れる選手が多い。それぞれの選手の特徴が上手くかみ合っているので、チャンスも作れている」とチームの仕上がりにも手応えがある様子だ。

 木原も同様に「開幕をすごく楽しみにしていました。強豪校と試合ができて、今年はJクラブともやれる。その中で、しっかり結果を残していきたい。個人的にも、この夏はナイキカップやRYUKEI CUPを戦う中でレベルアップできた手応えがあります」と話している。この日の6ゴールは、2人の言葉を実証するかのようなゴールラッシュだった。

 徳島ヴォルティスへの入団が内定している西野、昨年の1年生チームやBチームで飛びぬけた得点力を発揮してきた木原は、チーム内外から注目を集めている。「雰囲気がある。攻撃にバリエーションが出るし、他の選手も彼らを信じてプレーしている」と米澤一成監督が話せば、キャプテンのMF中野晃弥(3年)は「前線にボールが収まるので中盤が絡んでいきやすいし、2人だけでシュートまで持ち込むこともできる。この前、紅白戦で2人が同じチームになったら、そのチームの攻撃力がすごかった」と信頼を寄せる。この日、視察に訪れていたスカウトからも「あの2人が前にいると違うね」という評価が聞こえてきた。

 2人はお互いのことを、どう思っているのだろうか。西野は後輩について「めちゃくちゃゴールに貪欲ですよね。味方が空いていても、得点の可能性があればシュートを打っていく。自分も見習っています。ピッチ外でも話しやすいし、プレーでも互いの意図があうんです」と話している。

 一方の木原も「今日も相手のマークを外した直後のシュートをふかさなかった。シュートの上手さや身体の強さがある。僕も負けられないし、任せっきりではいけない。太陽君に生かしてもらうばかりじゃなく、僕も太陽君を生かして、止められない2トップになりたいです」と話している。

そして木原は、こんな思いも口にしている。「太陽君にはレベルの高いところでやり続けて欲しい。(自分のプレーが)少しでも刺激になっていれば嬉しいです。あと4ヶ月くらいしか一緒にサッカーができない。その間にたくさん学んで、僕もさらに成長していきたいです」。

 頼れるチームメイトであり、ストライカーとして刺激しあえるライバル。そんなダブルエースが、今年の京都橘を牽引する。

(取材・文 雨堤俊祐)
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