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目標は本間至恩とカズ。選手、人間として成長続けるJFAアカデミー福島U-18FW三戸舜介はより決定力磨いて新潟へ

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JFAアカデミー福島U-18のU-19日本代表候補FW三戸舜介アルビレックス新潟内定発表後の初戦で奮闘

[9.12 スーパープリンスリーグ東海第2節 浜松開誠館高 1-1 JFAアカデミー福島U-18 浜松開誠館総合G] 

 前日11日に来季からのアルビレックス新潟加入内定が発表。JFAアカデミー福島U-18のU-19日本代表候補FW三戸舜介(3年)は、内定発表後の初戦に気合十分で臨んでいた。

 この日はFWに故障者が出ている影響によって、得意の左サイドではなく、最前線でのプレーだった。それでも持ち味の動きの量と質で勝負していく。13分には相手のビルドアップを読み切ってインターセプトし、チャンスの起点に。15分にも右クロスからゴールを狙い、混戦から右足ヒールでシュートを放った。

 前線から下りてボールを受けたり、背後を狙う動きを繰り返す三戸は41分、前線で再び絶妙なインターセプト。“裏街道”でDFを抜き去って左中間からPAへ侵入すると、そのまま左足を振り抜いた。だがシュートは枠右へ。決定機を逸してしまった三戸は後半、左サイドへ移って仕掛けるシーンがあったものの、無得点に終わった。8月まで開催されていたU-18甲信静 FOOTBALL LEAGUE 2020「From Now On」では得点ランキング2位の4得点。だが、スーパープリンスリーグ東海は開幕から2試合連続で無得点に終わっている。

「ゴールまでは良いと思うんですけれども、ゴールがないんですよ。今、FWやっているんで結果が全てだと思うので……。細かいところまで見ていくと、(41分の)あのシーンも右足で持っていればニアも蹴れたし、ファーも蹴れたし、この瞬間の判断がまだ全然できていないです。ゴール前になっちゃうと『決めなきゃ』、みたいな感じが出てきてあのシーンも慌てて左でやって外してしまっている」

 三戸は左サイドからのカットインシュートという得意の形がある。だが、FWではまだ納得の行くプレーができていないようだ。元FWの船越優蔵監督からは「(シュートシーンで)力を抜け」というアドバイスを受けているものの、この日は気持ちが入り過ぎていたか、「悔しいです。自分は決めるところがずっと課題なのでそこがまだ全然」という結果に。それでも、プロ入り内定後も変わらぬ姿勢で日々に取り組んでいる三戸は、この悔しさを必ず成長に繋げるはずだ。

 船越監督は「彼の素晴らしいところは(プロ入りが決まっても)浮つかないと言うか、決まったからとか、生活のところが乱れたりとか、横柄な態度を取るとか、そういうところがないのは素晴らしいですし、そういう風に我々も指導していっているところですね」と説明。その恩師は、家庭環境やジュニア時代に基礎を身に着けさせてくれた指導者もあってのプレーヤー、人間としての成長、プロ入りであることを強調していた。

 一方の三戸は「アカデミーに来たから代表に呼んでもらったのもあると思います。代表に近いので。あとは良い選手とスタッフといつも一緒にいるので」とJFAアカデミー福島の環境に感謝。そして、「(複数の誘いがある中で)最初のオファーだった」という新潟での活躍を誓う。

「凄く熱意を感じて応えたいというか、結果を残したいと。(新潟の)本間至恩選手は自分と同じタイプだと思うので越えていきたいです。夢はカズさん(FW三浦知良)みたいな。あのくらいの年になっても試合に出続けられるように」と三戸。登録163cmと非常に小柄だが、だからこそ磨いてきた特長などを駆使して、先輩たちの背中を追い続けて行く。

「小さいので止まってやっていたら(相手に)潰されてしまう、そこは捕まらないようにちょこちょこしながら、あちこち動いてゲームの流れをつくること。背後への抜け出しやパスとか動きで剥がして、そこからゴール前の仕掛けであとはフィニッシュを決められるようになりたいです」。19年U-17ワールドカップ日本代表のチームメートなど、すでにJの舞台で活躍している高校3年生もいる。来年ではなく、今年から新潟の試合に絡んでいくことも目標。強みや課題の決定力をより磨いてチャンスを掴む。
 
(取材・文 吉田太郎)
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