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朝練で蹴り続けてきた成果。京都橘MF中川樹が“絶品”の左足で2アシスト

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京都橘高の左WB中川樹は得意の左足で2アシストを記録

[9.26 スーパープリンスリーグ関西第6節 京都橘高 2-1 興國高 J-GREEN堺S11]

 徹底して磨き続けてきた左足が、チームに白星をもたらした。京都橘高は左WBとして先発したMF中川樹(3年)が2アシストの活躍。「僕はキックの質が特長なので、そこは絶対に誰にも譲りたくないです」という武器で勝利に貢献した。

 まずは前半5分、右サイドからのCKを左足で蹴り込み、DF久末達哉(2年)の先制ヘッドをアシスト。「DFラインが今年デカくて、ヘディングで負けないというのが特長なので、そこは自分で合わせるように。ちょっと高くてもチームメートはカバーしてくれる」。本人も納得のキックでゴールをお膳立てした中川は、その後もセットプレーをDF金沢一矢(3年)のシュートに繋げるなど正確なキックを続けていく。

 この日、守備面では興國に自身と金沢の間のスペースを狙われていたが、金沢と話し合って対応。運動量、強度が求められる試合は簡単ではなかったものの、守備での役割を欠かさなかった。チームは後半アディショナルタイムに中央を破られて失点。それでも、中川の左足の精度が勝ち越しゴールを呼び込む。

 後半アディショナルタイム4分、中川が相手GKとDFラインの間へ左足でアーリークロス。1バウンドしたボールをファーサイドのFW木原励(2年)が頭で押し込んだ。失点直後の劇的な決勝ゴール。中川は「あの時は見えていて、いつもの練習試合とかから(西野)太陽と(木原)励はあそこをずっと狙っているので。僕もキックの質が特長なので絶対に合わせるというのであそこに蹴りました。(合わせる選手が)足で、ダイレで行ける狙いだったのでちょっと低かったんですけれども……」と苦笑したが、それでもDFがわずかに届かない位置へ、味方が1タッチで合わせられるボールを見事に蹴り込んだ。

 米澤一成監督は「ボール、良かったですね。それ(左足)しか仕事しないです。それしか持っていないです(微笑)。でも、2アシストやからそういう面では持っている」と中川のキックを称賛した。実際、中川はドリブルも得意とするが、試合に出るために磨き上げてきたのがこの左足。それが、チームのストロングポイントになりつつある。

 中川は「朝練は金曜日以外、火曜日から木曜日は1時間弱毎日ひたすらCKの練習をしていて、朝練とか日頃の成果が出たかなと思います。キックの質は誰にも負けたくないです」。この日、練習の成果を発揮したレフティーは、「今年はインターハイとかなかった。最後の年なので、(選手権は)京都府予選を突破して全国制覇目指して頑張りたい。個人的には京都府でアシスト王になりたい」という目標へ向かって左足の精度をより高めていく。

(取材・文 吉田太郎)
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