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[MOM3220]市立船橋DF石田侑資(3年)_プロ目指す「市船の魂」がこだわりの無失点

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市立船橋高DF石田侑資主将が相手の攻撃を阻止する

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.27 プレミアリーグ関東第3節 市立船橋高 0-0 FC東京U-18 グラスポ]

 特に後半は、大半の時間帯を自陣ゴール近くで過ごすことになった。19年U-17ワールドカップ日本代表MF角昂志郎(3年)やFW青木友佑(3年)らFC東京U-18の強力攻撃陣のアタックを受け続けた。だが、市立船橋高DF石田侑資主将(3年)は「そういう選手とできるのはプレミアの良さ」「90分間ずっと楽しくて」とあくまでポジティブ。攻められ続ける展開をむしろ楽しみながら守り切った。

 確かにギリギリのオフサイドや相手のファウルに助けられた部分もある。紙一重での無失点という印象もあるが、市船が強敵相手にタスクを達成できたのは石田の存在が非常に大きかった。5人のDFの中央に位置した石田は、ハードワークを続ける仲間たちの後方でカバー。細かくポジションを修正しながら危機管理し続け、ハイボールやクロス、両ストッパーのところで蓋できなかった際は石田が身体を張ってピンチの芽を摘んでいた。

 そして、「練習の紅白戦から無失点や勝ちにこだわるというところはどこのチームにも負けないくらいの意識でやっている」という石田は、無失点、勝利するために仲間への声がけを継続。一瞬の隙が失点に繋がるような我慢の戦いの中、主将の声が市立船橋の集中力を維持させ、無失点という結果をもたらした。

 前節の横浜FCユース戦は3失点。「色々な責任を持ってやらせてもらっている」キャプテンとして、守備の柱を意味する「5」を背負うDFとして、悔しい思いを味わった。失点の原因を分析し、それを繰り返さないように意識して臨んだFC東京U-18戦で無失点。チームとして一つ成長できたことも主将は喜んでいた。 

「市船の看板も背負っていますし、特に出ている11人、スタメンだったり、ベンチに入っている選手だったり、応援してくれたり、運営してくれるBチームの選手だったり、関係者だったり、色々な思いがあるので、それを背負い続けることを意識して練習からやっている。ぬるい空気感などは排除しながらやっているので、それをやり続けようと思っています」。今後も市船のプライドと厳しい姿勢を持って練習から取り組んでいく。

 自分自身の将来へ向けて、1試合1試合がアピールの場だ。昨年から名門・市立船橋の守備の柱を担い、リーダーシップも発揮してきた石田は高校から直接のプロ入りを目標に掲げている。ボール奪取することにこだわってきたDFの強みは、対人の強さとキック。日常の成果か、3年生になって身体は明らかに大きくなっている。「自分はプロでしたいという気持ちが止まらないので。ずっと、日に日に思っていて、よい意味で自信があるというか、このままやり続けようと」というDFは無失点、チームの勝利という結果を続けることで評価を高めていく。

 今年8月、徳島ジュニアユース時代のチームメートで京都橘高のエースFW西野太陽(3年)が徳島内定を勝ち取った。「すっごいライバルでめちゃくちゃ悔しいです。(選手権で直接対決することは)寝る前ずっと思っています。そこでバシバシ止めてやろうと思っています」。他の注目選手たちが進路を決める中でも常に前向き。プロという進路にもこだわる「市船の魂」が目の前の相手を封じ、白星を積み重ねて全国制覇と個人の夢も実現する。

(取材・文 吉田太郎)
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