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興國GK田川知樹は内定先の横浜FM練習参加。これまでの当たり前が通じない世界で意識面から変化

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興國高のGK田川知樹は選手権で成長した姿を見せる

 興國高のGK田川知樹(3年)は、加入内定している横浜FMへ8月20日まで練習参加。新型コロナウイルスの影響による休校期間や夏休みを活用して昨年のJ1王者に帯同した注目GKは多くの学びを得る期間となったようだ。

「何回も思っていることなんですけれども、ここ(高校)でできることって向こうで簡単にできることではない。自分のレベルをしっかり知ることができました。早い段階で練習参加できていることによって、来年に向けて良い準備ができることが一つ良いことだと思っています。自分が意識高いと思っていたこととプロの選手の意識って結構違いがあって、意識のところはこれから自分が変えていかないといけない」と語る。

 帯同中は自分が意識高くやっていると思ったこともプロの世界に入ると、まだまだだということに気付かされた。自分がグラウンドに到着した時には、先輩がもう練習の準備をスタートしていることもあったという。一回の練習や試合に懸ける姿勢が自分と全く異なっていることを実感。また、トレーニングでは興國よりも1タッチでボールを動かす回数が多く、速いテンポの中での質を求められた。

 成長も感じている。「プロの選手のシュートを止めていくうちに段々止められるようになってきて、もっとその環境で頑張ればもっと守備範囲は広くなるかなと思いました」。また地道に筋力トレーニングを行ってきたこともあり、首周りが太くなった印象。上体が逞しくなり、ゴール前で競った際に高校生相手ではより負けなくなってきている。

 横浜FMへの練習参加中は実戦から遠ざかっていたが、5か月ぶりの実戦となった8月24日の昌平高戦を1失点で勝利。「ちょっと心配だったんですけれども、練習でやってきたことを出そうと思って勝てたので良かったです」という田川は、「練習で良くなってきているけれど、試合で発揮できていないことがまだたくさんあるので、そこはもっと試合にたくさん出て、いっぱいチャレンジしていきたいと思います」と前向きだ。

 プリンスリーグ関西でハイボールの強さやシュートストップ、キックの質の高さを見せている田川は、「最近は守備のところを第一に考えている。自分のところでミスはないんですけれども、チームとして守りきれないところがあるので、そういうところをもっとチームでしっかりとコミュニケーションを取ってやっていかないといけない」と引き締める。

 その上で攻撃面については、「寄せられた時にもっといつもどおりの質で蹴れるように、右足も、左足も、もっと質を求めていかないといけない。キックのところは長所なので、そこでは絶対にミスをしてはいけないと思っているので、90分通してノーミスを普通にしていきたい」と誓った。

 昨年、田川は選手権大阪府予選で大活躍し、興國を初の全国出場へ導いた。今年は全国で活躍し、勝ち続けることが目標だ。「興國をもっと知ってもらいたいですし、プロ4人出ている中で注目されると思うので、後ろから支えたいと思います」。横浜FMへ長期の練習参加をし、成長した部分を試合で発揮すること。そして、J内定4選手の興國の名を全国でさらに広める。

(取材・文 吉田太郎)
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