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[関東Rookie League]自立し、逆境での強さ出てきた流経大柏、後半4発で全国王手

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後半25分、流通経済大柏高は交代出場FW大沼陽登のゴールで勝ち越し

[11.22関東Rookie League第9節 矢板中央高 1-4 流通経済大柏高 時之栖裾野E2]

 関東、静岡の強豪校の1年生がリーグ戦を通してレベルアップを目指す「2020 関東Rookie League」は22日に最終節を行い、Aリーグ2位の流通経済大柏高(千葉)が矢板中央高(栃木)に4-1で勝利。2位を守った流経大柏はルーキーリーグ全国大会への出場権を懸けて、23日のプレーオフでBリーグ1位・帝京高(東京)と戦う。

 全国優勝を目標に掲げる流経大柏が出場権獲得へ王手をかけた。前半は0-0。矢板中央のMF山崎大海が「自分たちは4勝4敗で来ていてここで勝ち越すか、負け越すか。流経も優勝がかかっていたのでバチバチになるのは分かっていた」と振り返ったように、1点を争う激しい展開に。その試合は、後半にスコアが動く。

 後半3分、流経大柏はFW笹原一真が抜け出して独走。決定機になりかけたシーンを矢板中央DFがファウルで止めて一発退場となった。ペナルティーアーク付近でFKを獲得した流経大柏は、森山圭司コーチがこのタイミングでMF小西脩斗をピッチへ送り出す。

 そのままキッカーを務めた小西が右足を振り抜くと、ボールはファーサイドのゴールネットに吸い込まれた。だが、矢板中央は17分、前線からのプレスで相手のミスを誘うと、MF高橋海斗が執念の同点ゴール。プレーオフ進出のためには勝つしか無い流経大柏にプレッシャーをかける。

 だが、数的優位に立つ流経大柏は速攻を連発。そして25分、右サイドから仕掛けたMF都築駿太がラストパス。相手のクリアボールをFW大沼陽登が押し込む形で再び勝ち越した。

 流経大柏はGKデューフエマニエル凛太朗らが相手の反撃を凌ぐと、29分には右クロスのこぼれ球をCB岡本亮太郎が右足で押し込んで3点目。試合終了間際には、左中間から縦に仕掛けた小西が左足でこの日2点目となるゴールを決めて勝利を決定づけた。

 流経大柏の森山コーチは「開幕した頃に比べると随分成長したと思います。自覚・自立してきた」と分析する。攻めながらも得点できずに崩れることも多かったというが、思うように行かない試合でも自分たちで立て直して勝利。特に今月は市立船橋高とのライバル対決を4-0で制し、夏に完敗した前橋育英高にも1-0で競り勝っている。

 そして、この日は負けられない戦いで勝利。Aチームでのプレー経験も持つ右SB大川佳風は「(逆境での強さは)僕も出てきていると思います。(夏は)みんなやることが別々だったりしたけれど今、まとまってやりやすくなっている」と語る。

 Aチームは惜しくも選手権千葉県予選決勝で敗退。それだけに自分たちが何としても全国舞台に立つという気持ちでいる。MF竹原伸やMF堀川大夢、小西、大川ら個の力も十分。大川は「3年生が(全国に)出れていないので自分たちが出て活躍したい。明日(のプレーオフ)は今日みたいなキツイゲームになると思うんですけれども、前は点取って、後ろは無失点で勝ちたいと思います。(自分は)中外両方行けるんで、どんどん仕掛けて攻撃がウリなので走って貢献したい」と意気込んだ。名門の選手としての自覚が出てきた流経大柏の1年生が、全国への挑戦権を勝ち取る。 

(取材・文 吉田太郎)
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