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ブレずに取り組み続けて徳島内定。修徳の大型ボランチ・大森博はプロで結果残してパリ五輪、世界へ

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徳島ヴォルティス内定の修徳高MF大森博

「まずは徳島で早く試合に出ること。早い内にヨーロッパに行きたいですけれども、まずは日本で、徳島でしっかりと結果を残すこと。あとはパリ五輪の世代なので、そこでしっかりと入れるようにしたい」

 修徳高(東京)の徳島ヴォルティス内定MF大森博(3年)は6日、高校生活最後の公式戦(東京都2部リーグ、対東海大高輪台高)で先発フル出場。正確なミドルパスや高さを発揮した大森は試合終了後、プロ入りしてからの目標を掲げた。

 登録身長187cmの大型ボランチ。長身に加えて技術力と運動量を兼ね備える大器は、1年時にU-16日本代表候補に選出されて名を上げ、2年時にはJ1クラブへの練習参加も経験した。一方で、怪我に悩まされた3年間。周囲の期待に応えるような活躍をすることができず、3年目の選手権予選も2回戦で敗退して一度も全国舞台に立つことができなかった。

 同時にプロから思うような評価を得られなかったことも確かだ。同学年の高校生がプロ入りを決める中、不安もあったという。だが、大森は「(プロ一本だったが)他の選手が決まる中、まだ決まっていなかったので、夏ちょっとくらいまでは不安でした。でも、やることをやれば声を掛けてくれると思っていたので、そこは自信を持って練習とか試合でアピールできるようにコロナ期間もトレーニングしていましたし、しっかりプレーしていれば誰か見てくれると思っていました」。自分に自信を持って、やるべきことをやるだけ。それを貫いた結果、徳島入りを勝ち取った。

 徳島は夏頃から対外試合や練習で大森のプレーを継続的にチェック。大森はアピールを続けると同時に、徳島の試合をDAZNで見て、その繋ぐスタイルや若手が台頭している環境に魅力を感じていく。そして内定を獲得。「身長があってしっかり動ける部分と、止める・蹴るがしっかりとできる。運べるだったり、攻撃の部分もそうですし、動けるというのが一番。そこでしっかりとポゼッションできるという部分を評価してもらっています」。大型ボランチはCBとしてのプレーも期待されているようだ。

「それは今世界のスタンダードというか、世界でもボランチで大きい人はいますし、冨安(健洋)選手や板倉(滉)選手のような海外で活躍している日本人も見ているので、後ろもうやりながら前もできるみたいな。ヨーロッパとか行ったらどっちもできた方が良いのでそれは考えています」

 幼い頃から一人でドリブル練習を行うなどテクニックを磨き続けたことが、プロ入りを引き寄せた。修徳中1年時に160cmほどだった身長は、徐々に伸び続けて現在185cm超え。中学時代のポジションはウイングやトップ下で「ドリブルとかテクニックの方をやってきたので、それが今活きている。(足下には)自信を持っています」。以前からの武器である止める・蹴るや運動量にサイズが加わった。現在は、怪我をしない体作りにも精力的に取り組んでいる最中。強みになってきているヘディングなども含めてさらに強化し、チームの信頼を勝ち取る。

 J1昇格目前となっている徳島ですぐに出番を得ることは難しいことかもしれない。だが、この1年間続けてきたように、やるべきことをやり続けるだけだ。「キャンプからしっかりとアピールして1試合でも多く出れるように。焦らずチームメートとコミュニケーション取りながら、(特に)後ろだったら学ぶものが多いですし、学びながらやっていきたい」。スケール感大きなMFは一日一日を大事にして必ず徳島で活躍し、パリ五輪出場、海外進出という目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
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