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[横山杯]成功体験増やしながら“創英スタイル”構築する横浜創英が埼玉栄に逆転勝ち

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横浜創英高のCB細野竣文主将が左足を振り抜く

[12.27 横山杯準々決勝 横浜創英高 2-1 埼玉栄高 ジャーニィー若松G C面]

 強豪校の新チームの1、2年生が「サッカータウン波崎」(茨城)で力を磨く「全国ユース招待サッカー大会 ~YOKOYAMA MEMORIAL CUP~」は27日午前、準々決勝を行い、横浜創英高(神奈川)が2-1で埼玉栄高(埼玉)に逆転勝ちした。

 神奈川の新鋭・横浜創英は21年度に待望の人工芝グラウンドが完成。環境面が向上する来季を前に、実戦を通して巧みで質の高い“創英スタイル”を磨き上げている最中だ。宮澤崇史監督は「連動して、イメージを共有すること。フェスティバルを通して成功体験を何度も繰り返さないと、できてこない」と語る。選手たちは共通理解を向上させるために、試合の中で積極的にチャレンジ。上手くいかないことも多かったが、それでも逆転勝ちを収めた。

 前半は互いにポゼッションとショートカウンターを見せ合う展開に。前半は構えた相手を攻略する力で上回っていた横浜創英が、より多くのシュートシーンを作り出す。「自分がチームをしっかりと後ろから支えてチームメートたちが安心してプレーできるような存在になりたい。自分の強みは左利きなので左足で背後蹴ったり、ビルドアップのところが得意分野だと思っている」というCB細野竣文主将(2年)やMF原谷凌成(1年)、MF村上貴一(2年)が中央からボールを繋ぎ、細かな崩し。そして技術力高いストライカー・FW小笠原大河(1年)や縦に鋭いMF清水悠太郎(1年)、FW細木創太(1年)がフィニッシュへ持ち込んだ。

 だが、埼玉栄はGK西野入悠哉(1年)がファインセーブを見せたほか、スピードと強さを併せ持つCB宇草太一主将(2年)らが水際のところで防ぐなど得点を許さない。その埼玉栄はボールを奪うと宇草や司令塔のMF蓜島圭(2年)が後方からゆっくりと攻撃を組み立て、伝統のワイド攻撃。だが、稲垣忠司監督が「構えられた時にまだまだ崩せない。アクションをかける回数も少なかった」と指摘したように、ボールは繋がっていたものの、なかなか相手の守りを攻略することができなかった。

 小笠原がシュートを連発していた横浜創英も決め切るまでには至らない。前半を0-0で折り返した試合は後半も拮抗。互いにボールを繋いで攻め合う中、スコアはセットプレーで動いた。給水タイム明け、埼玉栄が右CKからMF上原遊大(2年)のヘディングシュートによって先制する。

 だが、横浜創英は試合終盤にスコアをひっくり返す。右SB中村颯太(2年)が獲得したFKを交代出場FW熊谷元太(2年)が右足で蹴り込むと、このこぼれ球を熊谷が左足でファインショット。同点に追いついた横浜創英はさらに右クロスをファーサイドの熊谷が頭で決めて2-1で逆転勝ちした。

 昨年から横浜創英の主軸を担う細野は守備面での課題を指摘した一方、攻撃面の連動性については「新チームが始まった時よりは確実に良くなっていると思います」と頷く。そして、来季へ向けては「攻守において連動できる、そして楽しいサッカーができれば良い。去年の先輩は(神奈川)ベスト4という結果を残したので、この1年通して全国には必ず出るという目標を持っている。この大会も勝負にこだわっていきたい」。準決勝で前橋育英高(群馬)に敗れたものの、3位決定戦でも“創英スタイル”の構築にチャレンジ。勝負にこだわりながら成功体験を増やし、来年の全国出場に繋げる。

(取材・文 吉田太郎 取材協力 スポーツマネジメント)
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