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[横山杯]自分のため、仲間のため「最後までやり切る」。選手権出場校の市立船橋はそれぞれの場所で成長、勝利を

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市立船橋高MF平間陸斗は選手権メンバー入りへアピール

[12.27 横山杯準決勝 市立船橋高 0-0(PK3-4)習志野高 グリーン土合G A面]

 市立船橋高は選手権開幕を控えて校内で新型コロナウイルスの感染拡大。臨時休校となり、全国大会出場を辞退した部活動もある。サッカー部も不安視されたが、23日の学校再開とともに全体練習を再開。選手権メンバーを除く来季の主軸候補たちが「全国ユース招待サッカー大会 ~YOKOYAMA MEMORIAL CUP~」(茨城)に出場している。

 休校期間中の2週間は個人練習とリモートでのミーティングのみ。コンディションは万全では無かったはずだが、帝京高(東京)との準々決勝を試合終了間際の2ゴールによって逆転勝ちするなど、ベスト4へ進出した。

 左足でのゲームメークと球際の強さが特長のMF平間陸斗(2年)は選手権の登録30名にこそ入っているものの、現在はAチームから外れて横山杯で試合経験を重ねている状況。「ここに来たからには、ここで勝ちにこだわるということをやっています。(Aチームから)落ちてきた人間でもあるので、しっかりと自分がリーダーシップを取って戦っていきたいと思っていました。まだ選手権に入る可能性はあるので、ここでできることをやってアピールしたいです」と語る。

 また、セカンドボールの回収と相手のプレッシャー剥がす巧さを強みとするMF荒木廉生(2年)は、「自分は選手権メンバー落ちてしまったんですけれども、カテゴリー関係なく、この3日間を悔いなくやり切りたいなと思ってきました。今の時点で最後の1年は始まっていると自分の中で思っている。この合宿含めてこの1年の取り組みが来年1年に響いてくると思うので、そこはやっていきたいです」と力を込めた。

 準決勝は押し気味に試合を進めながら、後半に相手のカウンターを止めきれずGKが退場。その後、サブGK不在で急遽GKを務めたMF大谷陸斗(2年)がPK戦で1本止める奮闘を見せたが、惜敗した。決め切る部分や守備のコンパクトさ、切り替えの速さが課題に。荒木は来季へ向けて「やっぱり『市船の3原則』である球際、切り替え、運動量というのを最大限に出して、かつ自分たちの代にしかできない最高のサッカーをして、全国優勝していきたいです」と誓っていた。

 Aチームはこの後、支えてくれた方々への感謝の念と、他の部活動の選手たちの思いも背負って選手権に臨む。休校期間中に改めて感じた“サッカーをしたい”という強い気持ちもエネルギーに。平間は「2週間空いてしまったんですけれども、そこで気持ちが一つになったというか。やるべきことがはっきりしたと思う」と語り、波多秀吾監督は「我々にしかできなかったところを力に」と期待する。

 常に勝利を求められる市立船橋だが、特に今年度の選手権は必ず勝たなければならないという思いが強くなっているようだ。荒木は先輩たちの雰囲気について、「全然下向いている選手はいなくて、本当に全国優勝しかチームとしては見ていないので、そこは全員同じ方向を向いていると思います」と説明し、平間は「他の部活が出れない中で自分たちが出るんで、最後までやり切りたいと思います。全国制覇を目指して、個人としては試合に出続けるということを意識してやっていきたい」と誓った。自分のため、仲間のため、市立船橋はそれぞれの場所で成長、勝利を求める。 

市立船橋高はMF荒木廉生も『3原則』を意識したプレー


(取材・文 吉田太郎 取材協力 スポーツマネジメント)

※選手権出場校の市立船橋高はリモート取材
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