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選手権初出場で16強の創成館が九州新人初戦で逆転勝ち。「もっと上を目指して」

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後半7分、FW立川蒼真(左)のゴールを喜ぶ創成館高の選手たち

[2.20九州高校(U-17)予選リーグ 那覇高 1-2 創成館高]

 選手権ベスト16のさらに上へ――。第42回九州高校(U-17)サッカー大会(九州新人大会、長崎県島原市)が20日に開幕した。予選リーグ第1ブロック第1節で那覇高(沖縄1)と創成館高(長崎2)が対戦し、創成館が2-1で逆転勝ちした。

 初の選手権で16強入りした創成館の新チームが、苦しみながらも白星を収めた。長崎県独自の新型コロナウイルス予防対策のため、選手権後は練習試合がゼロ。準優勝した県新人戦後、初めての対外試合となった那覇戦はMF岡優希(2年)がクロスバー直撃のシュートを放ったり、選手権経験者でエース格のMF村田颯(2年)がこぼれ球に反応するシーンがあったが、先制点を奪うことができない。

 沖縄王者の那覇もテクニカルな10番MF仲里凌司(2年)やMF森田光哉(2年)中心にボールをテンポ良く繋いで攻め返す。そして、素早い奪い返しを見せたほか、CB源河侑季(2年)やCB波平元太(1年)ら最終ラインも、選手権で先発したFW波多野太一(1年)やドリブラーのFW立川蒼真(2年)にボールを当ててくる創成館の攻撃を凌ぐ。そして、前半27分には、MF大村龍之介(2年)のFKを森田が頭で決めて1-0で前半を折り返して見せた。

 創成館は試合勘の部分を欠いた前半、上手く試合を進めることができなかった。それでも、紅白戦などでDFラインをコンパクトにすることなどを徹底してきた成果が出て、「今日の後半とかは改善されていたと思います」(GK永田健人、2年)。また、後半は昨年からの先発左SB石橋廉太(2年)のサイドチェンジや縦への推進力のある交代出場MF田中凌雅(2年)が攻撃にアクセントをつける。

 7分、石橋のサイドチェンジのこぼれ球から田中が縦へ仕掛けてラストパス。これをファーサイドの立川が左足で押し込み、同点に追いつく。それでも那覇は怯まずに自分たちのスタイルを徹底。決定機も作り出す。だが、創成館は九州屈指のGK永田のビッグセーブで勝ち越し点を許さない。逆に試合終了1分前の後半29分、左サイドからドリブルで仕掛けた田中のクロスを村田が1タッチで合わせて逆転。地元の期待に応える白星発進となった。
 
 選手権長崎県予選で創成館は、プリンスリーグ九州勢の国見高や王者・長崎総合科学大附高を破って堂々の初優勝。全国大会でも難敵・学法石川高(福島)を下したが、優勝候補の昌平高(埼玉)に前半の3失点で敗れた。

 永田は「自分たちの差を大きく感じましたし、もっと自分たちも上を目指してやらないと上にいけないと感じました」と振り返り、村田も「去年以上のことをやらないと去年よりも上に行けない」と口にする。だが、新チームはまだまだ昨年以上の厳しさを持って練習に取り組むことができていないようだ。

 創成館の久留貴昭監督は「経験した学年だからもっとやって欲しいです。目標設定はできているはずだから、もっと考えて欲しい」と厳しい。「全国ベスト4」(村田)という目標へ向かって、意識の部分もスピード・強度の部分も全国ベスト4を成し遂げるに相応しい日常を送っていくことが必要。この日は第2節(対佐賀東高)で0-1の敗戦を喫したが、まずは九州大会で本気のゲームを一つでも多くできるように、予選リーグ首位突破を果たす。
 
(取材・文 吉田太郎)

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