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復権への歩み続ける伝統校。11年ぶりに長崎新人戦優勝の国見が九州初戦で鹿児島城西に劇的勝利!!

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後半アディショナルタイム、左SB高木祐介の決勝点を喜ぶ国見高イレブン

[2.20九州高校(U-17)予選リーグ 国見高 3-2 鹿児島城西高]

 国見が勝負強さ発揮し、白星発進――。第42回九州高校(U-17)サッカー大会(九州新人大会、長崎県島原市)予選リーグ第3ブロック初戦で国見高(長崎1)と鹿児島城西高(鹿児島2)が対戦し、後半アディショナルタイムに左SB高木祐介(2年)の挙げた決勝点によって国見が3-2で勝った。
 
 11年ぶりに県新人戦で優勝した国見(雲仙市国見町)が、隣接する島原市開催の九州初戦で劇的勝利だ。前半2分にFW本川璃空(2年)が鋭いターンからPKを獲得。自ら決めてリードを奪う。だが、球際の強度高く、徹底したオープンスペースへの配球から1年生FW前田隼希らが仕掛けて来る鹿児島城西の攻撃に苦しんだ

 鹿児島城西は11分、DF川原琉翔(2年)の右CKをDF濱崎聡馬(2年)が頭で合わせて同点に追いつく。強風の中での試合で国見はCB福田皓大(2年)の左足フィードを多用。就任3年目の木藤健太監督の下、「相手を見てサッカーできるチーム」へ積み上げてきた国見は、ボールを大事にしながら状況に応じた攻撃で鹿児島城西ゴールを目指していく。

 互いに攻め合う展開となった注目カードは、国見が後半立ち上がりにもゴールを奪う。3分、相手のクリアミスを逃さず、右SB村田一翔(1年)の左足シュートで勝ち越し。鹿児島城西の新田祐輔監督は「(自分も含めて)立ち上がりの気持ちの持って行き方が未熟です」と指摘していたが、痛い失点で再び追う展開となった。

 それでも、後半5分にエースMF崎野隼人(2年)を投入。技術力高い崎野が加わり、攻撃の厚みを増した鹿児島城西は14分、川原の絶妙な縦パスで抜け出した前田がGKをかわして同点ゴールを奪う。

 一気に相手を飲み込もうとする鹿児島城西に対し、国見もベンチスタートだった注目の191cmCB山田純大主将(2年)をピッチへ。相手のパワフルな攻撃を跳ね返すと、「なかなかコロナで試合ができない状況で自分も試合前からワクワクしていてこんな良いチームと(初日に2試合)できて嬉しかったです。(強風で展開力を出せない中)守備を頑張ろうと思っていました」という1年生10番MF北村一真が、落ち着いてポイントを作るなど、緩急をつけた攻撃で揺さぶりをかける。

 そして、アディショナルタイム、敵陣でセカンドボールを回収した国見は本川がDFのマークを外しながらスルーパス。これに反応した左SB高木が左足で決勝点をねじ込み、喜びを爆発させた。
 
 県新人戦決勝以来の対外試合で、タフな相手の前に思い通りの試合ができなかったことは確か。だが、主導権を握れない中でも強みを発揮し、白星をもぎ取った。木藤監督は「2点目、3点目は落ち着いて相手の背後を取る狙いが出せた」と頷き、「(タフな相手に対して)後半最後拾ったりという時間もできていた。戦いながら伸びて行って欲しい」と期待する。

 昨年、プリンスリーグ九州や選手権予選で経験を重ねた1、2年生が多数。怪我で不在の主力候補もいるが、第2節でも0-2の後半終了間際に2点を奪い返すなど勝負強い戦いを見せている。

 山田は「チーム全員で勝ち取った1勝と粘った1引き分けだったと思います」とコメント。そして、「新人戦は11年ぶりに優勝することができたんですけれども、ここから高総体・選手権と油断できないですし、(長崎県内は)僕らを倒しに来るチームばかりなので、そこを乗り越えないといけない。しっかりとトレーニングを積んでいきたい」と語ったように、全国復帰、伝統校復活を目指す国見は目標達成のための糧を得て九州大会を終える。 

(取材・文 吉田太郎)

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