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[MOM3409]青森山田DF丸山大和(2年)_1ゴール1アシスト。センターバックが"得点感覚"でリベンジ達成に貢献

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青森山田高のCB丸山大和は1ゴール1アシストで山梨学院高撃破に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.13 時之栖チャレンジカップ 青森山田高 4-0 山梨学院高]

 大事な“リベンジ”の懸かった舞台で1ゴール1アシスト。それだけ見るとストライカーやサイドアタッカーのような数字だが、彼のポジションはCBだ。「得点も獲れて、無失点で試合を終えられるCBになるのが自分の目標です」。青森山田高(青森)の新CB。DF丸山大和(2年=クリアージュFC出身)が山梨学院高(山梨)との一戦で躍動した。

 2か月前の選手権決勝は青森でテレビ観戦。PK戦の末に敗れ、悔しさを露わにする先輩や同級生たちをテレビ画面越しで見ていた丸山は、「ピッチで戦っていなくても、山田の一員として試合を見ていて、ああいう負け方をしたのは悔しかったです」とはっきり言い切る。その時と同じ相手との大事なゲーム。自ずと気合が入る。

「新チームになっての試合ということで、意気込みはそれぞれ強いと思いますし、自分もスタメンとしての自覚や覚悟はあるので、『しっかり自信を持ってやっていこう』と思って試合に入りました」。DF三輪椋平(2年)とのCBコンビとして、濡れたピッチコンディションに細心の注意を払いながら、ほとんど山梨学院にチャンスらしいチャンスを作らせない。

 すると、前半39分。相手ゴールキックの落下地点を掴んだ丸山は、「結構強いボールだったので跳ね返せました」と得意のヘディング。ボールは相手ディフェンスラインを飛び越え、そこに反応した名須川がゴール。意外な形で“アシスト”が付いてしまう。

 後半19分はCKのチャンス。MF松木玖生(2年)のキックに、高い打点でドンピシャヘッド。「東北新人大会でも何点か決めましたし、セットプレーからゴールを決めるのは自分の武器なので」という一発で1ゴール1アシストを達成。守っては無失点と『得点も獲れて、無失点で試合を終えられるCB』を地で行く活躍で、“リベンジ”達成を引き寄せた。

 青森山田が誇る最大の武器は、やはりロングスローも含めたセットプレー。昨年のキャプテン藤原優大(浦和)も、2年前の日本一を知る二階堂正哉(新潟医療福祉大)も、大事な試合で得点を獲れるCBだった。そういう明確なモデルケースがいるのも、このチームの強みであることは間違いない。

 ある意味でパートナーはライバルでもある。「(三輪)椋平とは組みやすいですし、やりやすいですけど、自分が経験のある椋平に引っ張られているようじゃダメなので、これからは自分が引っ張れるようなCBになっていきたいと思いますし、まずはこの遠征でスタメンを取りたいですね」。仲間と高いレベルで切磋琢磨できる環境は、きっと自身の力を何倍にも高めてくれるはずだ。

「辛いことがあったらチームで乗り越えるというのが原則というか、このチームでやるべきことで、ここまでは辛いことが本当に多かったですけど、その想いをこの1年間にぶつけたいと思います」。

 目指すはオランダ代表CBフィルジル・ファン・ダイクとスペイン代表CBセルヒオ・ラモスのハイブリッド。青森山田の新CB。丸山が隠し持つ野望はきっと、我々が思っている以上に果てしない。

(取材・文 土屋雅史)

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