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U-24代表“飛び級”DF中野の活躍も「良い刺激になっています」。プレミア初参戦控える鳥栖U-18が青森山田に逆転勝ち

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プレミア初参戦のサガン鳥栖U-18はサニックス杯の青森山田高戦で逆転勝ち

 チームメートの活躍も刺激に、待望の初挑戦へ向けた準備を進めている。サガン鳥栖U-18は、3度目の挑戦となった19年12月のプレミアリーグプレーオフを勝ち抜き、プレミア初昇格。昨年は新型コロナウイルスの影響によってプレミアリーグが中止となっており、今年が“高校年代最高峰のリーグ戦”初参戦となる。

 昨年はクラブユース選手権で初優勝。トップチームへ昇格したFW相良竜之介とFW兒玉澪王斗ら3年生が抜け、新3年生の左SB中野伸哉はトップチームで堂々のプレーを見せて、U-24日本代表へ“飛び級招集”された。注目DFは不在だが、それでもクラブユース選手権優勝メンバーのSB安藤寿岐(新3年)やCB岡英輝(新3年)、MF坂井駿也(新2年)、MF福井太智(新2年)、MF楢原慶輝(新2年)をはじめとした新生・鳥栖U-18が、サニックス杯ユースサッカー大会2021(福岡)で今年も力があることを示している。

 サニックス杯初戦はプレミアリーグ優勝3回の名門・サンフレッチェ広島ユースとのビッグマッチ。「(本格シーズン開幕への)スタートラインだったと思います」(田中智宗監督)という一戦で互角の戦いを見せ、後半は押し込む時間帯を増やしたものの、0-1で敗れた。

 新主将の安藤は「自分たちのやりたいことが全くできない試合でした。取られた後の切り替えや、取った後の切り替えが遅かったです。奪った後のボールをもっと大事にしたい」と反省。特に前半は簡単なボールロストが増えてしまっていた。後半はチームとしてやることが明確になったが、決定機で決めきれずに黒星スタートとなった。

 それでも、続く国見高(長崎)戦(13日)はFW二田理央(新3年)の1試合4得点の活躍によって4-2で勝利。14日の青森山田高(青森)戦は強度の高いゲームとなったが、前向きにパスを繋ぐ鳥栖U-18らしさを見せながらゲームを進める。ロングスローから先制されたものの、素晴らしい展開から楢原の折り返しを福井が1タッチで合わせて同点。さらに安藤の執念のヘッドで勝ち越すと、相手のパワフルな攻撃を我慢強く跳ね返して白星をもぎ取った。

 安藤は今年のチームについて、「去年よりも身長はないんですけれども、技術は去年よりあると思うので細かい部分だったり、しっかりと崩していく部分は見せたいと思います」とコメント。その特長に加え、切り替えの速さやハードワークする部分などプレミアリーグ勢などの強豪相手にも発揮できている印象だ。

 中野の活躍について、田中監督は「『じゃあ、次はオレだ』とやってくれれば。(まだまだ表現できていないが)気持ちは持っているんじゃないかなと思います」と期待。また、トップチームの練習に参加することもあるという安藤は、「去年まで一緒にプレーしていた選手がJ1の舞台で活躍しているので本当に良い刺激になっていますし、自分も早くその舞台に立ちたいと思っています。(トップチームは)プレースピードや一個一個のプレーへのこだわりが全然ユースと違うので、もっと細かいことから変えていきたいと思っています」と意気込んでいた。

 各選手の目標はトップ昇格。そしてチームとしても頂点を目指していく。安藤は「今年初めてプレミア挑戦するということで、難しいシーズンになることは間違いないので、一つでも上の順位を目指して、良ければ優勝を目指したい。(残りの準備期間で)細かいところから変えて少しでも勝つ可能性を高めて臨めれば良いと思っています」。クラブユース選手権王者ということで注目されることも理解している。そのためにも個人、チームとして成長すること。クラブ、サポーターの期待に応えられるように「良い結果を」(安藤)という鳥栖U-18が今年、目の前の一戦一戦を大事に戦い、多くの白星を積み重ねる。

(取材・文 吉田太郎)

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