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ハットトリックのLEON。FC東京U-18FW野澤零温の青赤ストライカー宣言

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FC東京U-18の18番を背負うストライカー、FW野澤零温

[3.20 イギョラ杯予選リーグ FC東京U-18 9-2 國學院久我山高]

 ハットトリックは自信にもなれば、戒めにもなる。自分の性格は自分が一番よくわかっている。「今日は3点獲れて良いきっかけになったかなとは思うんですけど、自分は結構単純なタイプで『獲れた』と思うと調子に乗っちゃう所はあるので、気を引き締めてこれからもやっていきたいですね」。FC東京U-18の新18番。FW野澤零温(新3年=FC東京U-15深川出身)に青赤のストライカーは託された。

 開始4分で小平のピッチに衝撃が走る。イギョラ杯予選リーグ初日。國學院久我山高(東京)とのオープニングマッチ。まだゲームが目覚める前に、野澤が突如としてミドルレンジから右足を振り抜く。「右側は狙いましたけど、あんなに良いコースに行くとはビックリしました。他人事みたいになっちゃいますね(笑)」。数秒後に突き刺さった軌道は、自身もチームメイトも驚くゴラッソ。試合の流れを一気に引き寄せる。

 後半2分にはこぼれ球を嗅覚で押し込むと、25分にもMF谷村峻(新3年)のクロスを巧みなヘディングでゴールし、ハットトリック達成。他にもスルーでMF渡邊翼(新1年)のゴールを演出しつつ、同じような形の右クロスでMF梶浦勇輝(新3年)のゴールを2つアシストするなど、全部で6点に絡むパフォーマンスにも「チームが勝つために自分がいるので、そこは周りと連携してやっていきたいと思います」と殊勝に語った。

 梶浦と同様に1月から2月に掛けて、トップチームの沖縄キャンプへ帯同。「最初は『ボロボロになって帰ってくるのかな』と思っていましたけど、練習試合で2点獲れましたし、通用した部分もいくつかあったので、そこは良かったです。でも、まだ自分をうまく生かし切れていないということがわかったり、長谷川(健太)監督からもいろいろ言っていただいて、もっともっと成長していかないといけないという気持ちはあります」。

「ゴール前で仕掛けることとか、ゴール前のアイデアというのは、トップでも通用しました。(バングーナガンデ)佳史扶選手とか岡崎慎選手にもいろいろ教えてもらいましたし、『通用しているし、このまま結果を出せば絶対(トップチームに)上がれると思うから』とも言われて自信も付きましたけど、緩まずにやっていかないといけないと思います」。課題とともに手応えも掴んで帰京したようだ。

 18番はFC東京にとっても特別な番号であり、FC東京U-18にとっても特別な番号。「ストライカーとして18番も背負わせてもらっているので、点を獲ることにはこだわっていかないといけないですよね」。鈴木郁也(早稲田大)、久保征一郎(法政大)、青木友佑(現3年=新潟医療福祉大進学予定)と受け継がれてきた番号を、より輝かせることができるだろうか。

 名前のアルファベットは“REON”ではなく、“LEON”。「“レオン”なんで結構“R”で書かれるんですけど、ちょっと違うなって言いたいんです(笑) “L”なんですよ」。才気あふれる青赤のストライカー。零温=LEONの名前、覚えておく必要がありそうだ。

(取材・文 土屋雅史)

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