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“涙のコンバート”から新10番へ。MF山本大輝が市立船橋の攻撃をコントロール

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市立船橋高の新10番、MF山本大輝

 “涙のコンバート”から数か月で、名門の中心選手になってきている。MF山本大輝(新3年=Wings U-15出身)はプレミアリーグEASTで市立船橋高(千葉)の10番として登録されているアンカーだ。

「第26回船橋招待U-18サッカー大会」最終日(28日)の2試合に出場した山本は、中盤の底の位置でビルドアップに参加。「チャンスメークしたり、後ろの選手と連係して前に繋げて、100%ビルドアップできるようにしていきたいです」と語るMFは、正確なボールコントールによってチームに落ち着きをもたらしていた。

 昨秋まではFWや左SHを本職としてきた。2年生で選手権登録メンバー入りも果たしていたアタッカーだが、練習試合で急遽中盤中央のポジションへ。「(選手権で)アタッカーとしては使ってもらえないと思って、悔しかったですね」。悔しさで試合中に流れた涙。だが、山本は新ポジションのアンカーでチャンスを掴んでいる。

 波多秀吾監督や中村健太コーチから「アンカーのポジションの理解を深めるように」と求められた山本は、プロのプレーを見て学習。「川崎フロンターレの4-3-3を見て、アンカーをやっているジョアン・シミッチ選手を見たり、プロの試合を見て、段々掴めてきました」。キープ力を特長とするMFは自分の強みを活かしつつ、ボールを離すタイミングを速くすることでチームに攻撃のリズムと精度をもたらしている。

「このポジションでもっとやりたいなと思ってきた」と語る山本に対し、波多監督も「山本がゲーム作ったり、ボールを落ち着かせられるというのがある。アンカーでゲームを作ったりできるので中心になってくるのかなと」と信頼する。

 “涙のコンバート”から、新ポジションで10番を託されるまで自分自身を高めてきた山本は「プレミア(リーグ)、インターハイ、選手権全部勝ちたいですしし、その中で自分も活躍して、チームが強くなっていけたらいい」。まだ転向数か月のアンカーのポジションでチームとともにレベルアップし、一つでも多くの白星に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)

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