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[MOM3423]横浜FCユースFW原大貴(3年)_ フィジカル勝負、上等。東の得点王候補が2ゴールで猛アピール

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横浜FCユースのストライカー、FW原大貴

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.11 プレミアリーグEAST第2節 横浜FCユース 2-2 FC東京U-18 小机]

 チームに勝ち点をもたらす2ゴールを記録しながらも、さらなる意欲を口にするあたりに、ストライカー気質が見え隠れする。「まだまた点は獲れると思いますし、結果的にチームは勝てていないので、自分はチームを勝たせて点を獲れる選手になりたいということを考えると、今日は引き分けてしまったので、まだまだだなと思います」。フィジカル勝負、上等。横浜FCユース(神奈川)のナンバー9。FW原大貴(3年)は、まだまだ底を見せていない。

 指揮官の交代を経て、リスタートの90分間となった第2節のFC東京U-18戦。ジュニアユース時代から横浜FCでプレーするストライカーにとっても、このシチュエーションに燃えない訳がない。「立ち上がりから集中して全力を出し切って行こうと」入ったゲームで、前半からその“嗅覚”で違いを見せる。

 前半37分。右サイドでDF本木紀慶(3年)がクロスの態勢に入ると、瞬時に状況を把握して最善の選択肢を選び取る。「最初はニアに入りたかったんですけど、(清水)悠斗がニアに入っていたので、自分は中で待っていたら、こぼれてきたのが結果的に良かったです」。中央でGKの弾いたボールをプッシュ。そのままピッチ脇まで駆け出すと、“クリロナ”ポーズも決めてみせる。

 42分。今度は左サイドからDF土屋海人(3年)が蹴り込んだFK。ここも周囲を見渡しながら、的確な決断を下す。「最初は自分で競ろうとしたんですけど、『増田(健昇)がいい感じに競ってくれるだろうな』と信じて、前にポジションを取っていたら自分の所にこぼれてきて、決めることができました」。ここもこぼれ球にいち早く反応して、ゴールを陥れ、きっちりとパフォーマンスを実行する。

「高2の時もプレミアリーグ関東で点を決めて、あのポーズをやったら凄く反響が来たので(笑)、『またやってやろう』という気持ちで。自分はあまり名前を知られている選手ではないので、『あのパフォーマンスの人だ』という、自分の名前を印象付けるためにやり続けています」。“クリロナ”ポーズ=“原大貴”ポーズという公式の定着を目論むあたり、只者ではない。

 抜群のフィジカルを生かして、グイグイと前に出ていくのが最大の特徴だが、それにはある秘訣があるという。「地元の友達に筋肉の鍛え方を凄く知っている友達がいて、その環境で自分も一緒にやらせてもらっているんです。フォワードなのでしっかりとした体付きをしないと点も獲れないし、ボールを収められないので、1年ぐらい前から常にそういうことを意識しながら、身体を鍛え始めていました」。友人の助けも得て、さらなるフィジカル強化に取り組んでいく。

「自分は常に『ハットトリックをする』という目標を立てているんですけど、その中でもプレミアWESTでガンバの坂本(一彩)選手が凄くゴールを決めていることに、自分も刺激を受けているので、もっともっと得点を重ねないといけないなというのは感じています」。西のライバルを意識しつつ、もちろん東の得点王の座を虎視眈々と狙っている。

「もっともっとチームの基点を作れるようなフォワードになりたいですし、その中でもゴールを何点でも、何十点でも獲れるような選手になりたいので、もっともっとやるべきことはたくさんあると思います」。

飽くなき向上心を懐に携え、ゴールショーの開宴をいつも頭に思い描いているストライカー。各チームのディフェンダーは原大貴のペナルティエリア侵入へ、取り締まりを強化する必要がありそうだ。

(取材・文 土屋雅史)
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