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[MOM3426]横浜FMユースDF諏訪間幸成(3年)_トリコロールの守備者は”切り替え”を身に付け、戦える男を目指す

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横浜F・マリノスユースのディフェンスリーダー、DF諏訪間幸成

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.17 プレミアリーグEAST第3節 FC東京U-18 1-1 横浜FMユース 武蔵野苑]

「『上手ければ勝てる」とか、現代サッカーではあまりないと思いますし、戦える選手というのが求められているので、そういう所が大事ですね。トップで何ができるかを考えて練習しています」。目の前の課題に向き合いながら、視線が捉えているのは遥か先の景色。横浜F・マリノスユース(神奈川)の最終ラインには、DF諏訪間幸成(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)がそびえ立っている。

 開幕戦の清水エスパルスユース戦は4失点。先週の柏レイソルU-18戦でも2失点。「ここ2試合で複数失点していたので、自分たちディフェンスラインが一体となって守ろうと思っていた」という諏訪間は、強い決意を抱いてFC東京U-18との一戦に挑んでいた。

 試合は前半から相手ペースで進む中、右サイドからクロスを上げられて失点を喫する。「前の2試合はセットプレーだったり、一瞬集中力が欠けたりという失点がほとんどだったんですけど、今回は流れの中で崩されての失点だったので、そこは反省点ですね」。失点の数もさることながら、むしろその質の方に目を向けるあたりに、自身へ課した高いハードルが窺える。

 とはいえ、シュート数で横浜FMユースの5倍近い数を記録したFC東京U-18の攻撃にさらされながらも、1失点で済んだのはこのディフェンスリーダーの統率力があってこそ。勝ち点1を手にした90分間で、キャプテンマークを巻いた諏訪間の存在感は際立っていた。

 昨年はトップチームのキャンプにも参加し、そこで自分に足りないものを痛感したという俊英は、その部分を強調してくれる新指揮官との出会いを歓迎している。「自分は“切り替え”の所が一番足りないと感じて、そこを高めていければトップチームでもスタメンを取れたり、そういう所に絡めたりするんじゃないかなと思っていました。大熊監督には“切り替え”の所を一番求められていて、練習から球際もバチバチ行けているので、それを継続して、もっと質を高めていきたいですね」。

「トップチームの方がもっとプレッシャーも厳しいので、そういう所に入った時にすぐなじめるように、というのは意識しています」。上のレベルで通用する自分であるために、高い理想を常に傍らへ置くことで、成長のスピードを早めていくことを誓っている様子が、言葉の端々から窺える。

 浦和レッズユースのDF工藤孝汰(3年)。柏レイソルU-18のDF田中隼人(3年)。年代別代表でもともにプレーしてきた2人の存在が、諏訪間にとっては何より刺激になっている。「工藤孝汰はJ1でベンチ入りしていますし、負けてられないですね。あの2人は左利きで自分にはない特徴を持っていますけど、ゴール前の守備だったり、球際の部分だったり、潰す所は負けていないと思っています」。さらに“切り替え”の部分で彼らを上回れば、おのずとその先の世界は見えてくるはずだ。

「今の目標は2種登録してもらって、トップに少しでも早く絡めるようにしたいですし、チームとしてはプレミアもクラブユースも、てっぺんを目指して頑張りたいと思います」。栗原勇蔵や田代真一を筆頭に、トリコロールのアカデミーからプロへと巣立っていく守備者の系譜。そのリストに自らの名前を加えるため、諏訪間は勝負の1年を全力で走り出している。

(取材・文 土屋雅史)
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