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[関東大会予選]今年も暁星国際に楽しみなCB。先制ヘッドの安部「目に留めてもらえるように」

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前半11分、暁星国際高CB安部日翔(5番)が先制ヘッド

[5.5 関東高校大会千葉県予選準決勝 八千代高 2-1 暁星国際高]

 一昨年は国本玲央(山口→現新潟シンガポール)、昨年は桒田大誠(現中京大)という注目のCBがいた。今年も暁星国際高から楽しみなCBが育ってきている。

 CB安部日翔(3年=暁星国際中出身)の身長は183cmで、いずれも186cmだった国本、桒田に比べるとサイズはやや下回る。だが、内藤雅也監督が「スピード、バネは(身体能力の高かった)桒田よりもありますよ」と評する才能。この日もその空中戦の強さを攻守両面で発揮していた。

 前半11分には左CKから先制ヘッド。「CKやセットプレーで自分がターゲットとしてしっかりそういう仕事を果たせたのは嬉しかったです」というゴールでチームにリードをもたらした。

 だが、チームの課題となっているセットプレーの守備で甘さが出てしまい、2失点。「キーポイントになると思っていた」(安部)という後半立ち上がりは、風上の利を活かして同点を目指したが、ここで追いつくことができず、パワーをかけて攻めた終盤も八千代高ゴールをこじ開けることができなかった。

 安部は後半、CB白鳥翔吾(2年)らとともに八千代を自陣ゴールへ近づけなかった。一方で惜敗したことを悔しがる。「相手のFWに負けないということをどんな試合でも意識していて、嬉しい反面、試合は勝ちたかったです」と唇を噛んだ。

 この日来場していたJクラブのスカウトの前で素材感を示したCBは、2人の先輩CBについて、「意識はしています。そういった先輩たちのおかげで暁星国際というチームが注目されていることも確かですし、自分だけじゃなく他の選手も(注目されるチャンスを)狙っていると思う」。先輩からアドバイスをもらいながら磨いたヘディングは強力な武器に。加えてスピードも備えた安部は今後、注目度を高めていきそうだ。

「先輩方のプレーも見ていましたし、特長のある選手、注目される選手は大体検討がつくので、そういったところ(プロや大学)に目に留めてもらえるように」。セットプレーから決める部分に課題を持ち、セルヒオ・ラモスやフィルジル・ファン・ダイクの映像を参考に練習中。今回は関東大会出場を逃したが、より上のステージへチームを導けるように努力していく。

 チームはマシーンを活用しての筋力強化を継続。この日は先発の半数以上を下級生が占めていたが、内藤監督も「3年生は、夏過ぎくらいは面白いと思う」と期待を寄せるように、MF辻野悠河やMF木村幸太ら3年生もここから一伸び二伸びしてきそう。安部は「今年一年はチームの目標としてリーグ戦の昇格と、千葉県ベスト4の壁を超えることを目標にしています」。この日の悔しい敗戦から切り替えて、目標達成、そして将来のための日々を過ごす。

(取材・文 吉田太郎)

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