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涙の水戸商、代表決定戦で敗れて関東届かず。インハイ予選で「必ず優勝したい」:茨城

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伝統校・水戸商高の中盤で奮闘したMF速水紀之(3年)

[5.8 関東高校大会茨城県予選準決勝 水戸商高 0-3 明秀日立高]

 試合後、涙が止まらなかった。19年度大会に続く優勝を目指した水戸商高は前半、海老根寿音(2年)と大塚脩斗(3年)の両CBや攻守で存在感ある動きを見せていたMF速水紀之(3年)、GK本田清良(3年)を中心に我慢強い守りで0-0を維持していたが、アディショナルタイム2分に痛恨の失点。2年生10番のFW新田篤人やMF根本遥人(2年)の仕掛けや、取り組んできたパススタイルを発揮する一方で丁寧に崩そうとし過ぎた部分もあり、得点が奪えなかった。

 後半はシュート数を大きく増やしたものの、1点を目指して前掛かりになった後半35分からの2失点によって0-3で敗戦。不在のMF小笠原誠人主将(3年)に代わってゲーム主将を務めた速水は「(前半は自分の強みも見せられたが、)試合の終盤になると自分の弱い部分が出てしまって、自分勝手なプレーをしてしまった。2失点してしまったのは自分の責任」と涙を流して悔しがった。

 速水は「次のインハイで引退してしまう3年生が多いので、今回とインターハイに懸ける思いが強くて、『絶対に優勝するぞ』とやっていたんですけれども、こういう結果になってしまって残念です」。そして、「球際の強さや流れを変える力、流れが悪くても耐え凌いだり、みんなで声を掛ける部分がまだ自分たちには足りないと思います」と課題を口にしていた。

 水戸商は私学の強豪に立ち向かっている県立の伝統校。土のグラウンドで自分たちの力を磨き続けている。それでも、19年度には関東大会予選とインターハイ予選で優勝。今年は当時のような攻守のタレントは不在だが、1年時から活躍する速水は「チームプレーで他のチームに差をつけていきたい」

 今回は代表決定戦で悔しい敗戦。佐藤誠一郎監督は「彼らがどう奮起してくれるか」と期待する。次はインターハイ予選で優勝、24回目の全国出場に挑戦。速水は「インターハイに懸ける思いは、どのチームよりも強いと思うので、切磋琢磨して必ず優勝したい」と誓った。まだ個々の甘さがあったことも確か。涙を流して悔しがった選手たちが、仲間たちのためにもより奮起して茨城のタイトルを勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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