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[MOM3516]静岡学園MF古川陽介(3年)_これまでの静学でも「いないくらい」の逆取り、抜く力。復帰戦で劇的V弾!

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後半アディショナルタイム、静岡学園高MF古川陽介が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.10 プリンスリーグ東海第10節 常葉大橘高 2-3 静岡学園高 常葉大橘高G]

 実戦は5月30日のインターハイ静岡県予選準決勝以来。復帰した10番がいきなり決勝点をもたらした。2-2に追いつかれた静岡学園高の川口修監督はベンチのエースMF古川陽介(3年=京都U-15出身)に「行けるか?」と確認していたという。「(体力面を考慮して)後半の20分くらいならば行けると思います」と応えていた古川は、残り20分を切ってからピッチへ。すると、持ち場の左サイドで違いを見せていく。

「(全体的に高い位置で)ボール収まっていなくて、自分のドリブルとかでリズムを変えて行けたらと。最近、持つ前に周りとか確認するのを結構意識していて、それをやったら楽にできました」と古川。簡単にボールを収め、1対1では止まらないMFに対して常葉大橘高はDF2人をつけて対応していた。それでも古川はボールを失わない。駆け引きしながら緩急をつけたドリブル。そして2人を振り切るようにクロスを上げ、また中へと切れ込んでいく。

 常葉大橘も勝ち点獲得へ必死。マークが厳しく、簡単にゴールは生まれなかった。試合は2-2のまま後半45分を経過。それでも、エースが静岡学園に歓喜をもたらした。45+2分、左サイドからカットインした古川はMF清水和馬(3年)とのパス交換で中央へ。そして、「結構詰まったんですけれども足の裏でくくってナメる感じでDFが巧いことズレたので」右足を振り抜く。

 決してクリーンヒットした一撃ではなかったが、正面でDFを外したことで勝負有り。川口監督も「これまでの学園にはいないというくらい、逆取ったり、抜いたりする力がある」と絶賛する才能のゴールによって、静岡学園は開幕からの連勝を9へ伸ばした。

 インターハイ静岡県予選準決勝と決勝の間に左腿裏を負傷して離脱。その間、チームメートたちはインターハイ予選決勝で1-3から追いついてPK戦で制し、プリンスリーグ東海でも連勝で繋いでくれた。

「この1か月間チームに迷惑をかけてきて、その分を取り返すという思いはあります。復帰戦というのもあって、1か月ぶりというのもあって、出たら一発残してやろうと思っていたので良かったです」。怪我によってインターハイ予選後に予定されていたJクラブへの練習参加は再調整に。だが、技巧派軍団の中でも違いを生み出している10番は、ここからの練習や試合で必ずチャンスを掴むはずだ。

 特にインターハイで古川はアピールする考え。この日、クロスの精度を欠いた部分もあっただけに課題のシュートやクロスを改善し、強敵揃いのブロックを勝ち抜く中で自分の特長も存分に発揮するつもりでいる。将来は「高いレベルでやって最終的にヨーロッパとか日本代表とか活躍したい」。古巣・京都への感謝の思いも口にするMFが、離脱していた時期の悔しさも込めてここから活躍し、多くの白星と進路を掴み取る。
 
(取材・文 吉田太郎)
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