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[和倉ユース大会]インハイ前に経験重ねる大津。市立船橋とのプレミア勢対決制し、8強入り!

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前半28分、大津高FW一村聖連が右足シュートを決め、2-0

[7.29 和倉ユース大会決勝T1回戦 大津高 3-0 市立船橋高 和倉多目的G(Aコート)]

 ユース年代最大級のサッカーフェスティバルである「石川県ユースサッカーフェスティバル」のトップカテゴリー、「第9回和倉ユースサッカー大会」(7月27日~31日)は29日、順位決定トーナメントに突入した。16チームによる決勝トーナメントの1回戦で大津高(熊本)と市立船橋高(千葉)のプレミアリーグ勢同士が激突。大津が3-0で快勝し、履正社高(大阪)との準々決勝へ進出した。

 大津は昨年、プレミアリーグWESTが中止となったためにスーパープリンスリーグ九州に参加。加えて、新型コロナウイルスの影響で活動が制限され、選手権出場を逃したこともあって、「3年生は全国の強豪とやれていない」(山城朋大監督)という状況だった。

 その中で迎えた今年だが、プレミアリーグWESTで神戸U-18、磐田U-18、C大阪U-18に勝利するなど暫定3位と健闘を見せている。そして、今回の和倉ユースで全国の強豪校にチャレンジ。予選リーグではプレミアリーグEAST首位の青森山田高(青森)と戦い、「出足が速いし、一人ひとりが判断している。クロスやディフェンスで変なミスもない」(山城監督)ことを実感するなど、新たな学びの期間としている。

 この日対戦した市立船橋はインターハイへの出場こそ逃しているものの、選手権での巻き返しへ鍛錬の夏の真っ只中。主将の右SB平良碧規(3年)のほか、ともに昨年から先発のDF針谷奎人(3年)やMF坪谷至祐(3年)らが先発した。その相手に対し、大津のFW川口敦史(3年)は、「入りで、市船さんが前から来ていて、ボールを持てなかった」と振り返る。

 それでも、大津は前半13分、右中間で縦パスを引き出した川口がそのまま縦へ持ち込んで右足一閃。強烈な一撃をニア上へ突き刺して先制した。怪我を抱えるMF森田大智主将(3年)が大事を取って先発を外れた大津だったが、このゴールによって落ち着いた試合運びを見せる。

 川口は「(先制後は)大津の攻撃の形や崩しができたと思います」。28分には、U-17日本代表候補FW小林俊瑛(2年)とのワンツーからMF薬師田澪(3年)がラストパス。これで抜け出したFW一村聖連(3年)が右足で決めて2-0と突き放した。

 持ち味のスピードを発揮した一村は「川口の先制点もあって、そこから波に乗れて自分の追加点も取れた。スピードのところは誰にも負けたくない。練習からあそこのところは狙っているので練習通りかなと思います」と胸を張る。

 大津は後半立ち上がりにもFKからDF寺岡潤一郎(3年)がゴール。市立船橋は1年生レフティーのMF太田隼剛がボールを振り分け、同じく1年生のFW郡司璃来が積極的な仕掛けを繰り返す。また、平良がセットプレーの流れからシュートを打つなど反撃したが、大津はU-18日本代表候補GK佐藤瑠星(3年)中心に安定。山城監督が「昨年までやっていたので、(これまで取り組んできた4バックと)遜色なくやってくれた」というDF和田理央(3年)、寺岡、DF川副泰樹(3年)の3バックもゴール前での堅さを示し、準々決勝へ進出した。

 プレミア勢対決での勝利でまた一つ成長。だが、一村は「プレミア同士なので絶対に負けないというのはあった。でも、もっとやれたというのはあります。(個人としても)自分の役割は点数取ることだと思うので、もっと点数取って貢献できるように、守備でも貢献したい」と引き締める。

 選手たちの今大会の目標は決勝まで勝ち上がり、もう一度青森山田と対戦して勝利すること。大会期間中、朝練を実施するなどコンディション調整と経験値を高めることの両方に取り組む大津が、インターハイでの日本一を勝ち取るために残り2日間も進化を続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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