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[和倉ユース大会]インハイ北海道第1代表の旭川実はまとまり、「本当の意味での仲の良さ」を表現して全国4強以上へ

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旭川実高はCB中村大剛主将(7番)やCB渋谷一樹(8番)中心に声を掛け合いながらリードを守った

[7.30 和倉ユース大会順位決定T 日体大柏高 1-2 旭川実高 マリンパーク]

 ユース年代最大級のサッカーフェスティバルである「石川県ユースサッカーフェスティバル」のトップカテゴリー、「第9回和倉ユースサッカー大会」は30日、順位決定トーナメントを行った。インターハイ北海道第1代表の旭川実高は、日体大柏高(千葉)に2-1で競り勝っている。

 序盤から仕掛けた旭川実は前半4分、右クロスのこぼれ球に反応したSH大野隼弥(3年)がダイレクトで右足を振り抜く。富居徹雄監督が「抜擢しました」というDF登録の3年生の一撃が、ゴール左隅を破り、先制点となった。

 旭川実はMF柴谷幸輝(3年)のスペースへの配球や、怪我から復帰したFW門馬誇太郎(3年)の力強い動きなどから2点目を狙う。対する日体大柏はこの日、Jクラブ注目のDF土屋巧主将(3年)が不在だったが、徐々にポゼッションの時間を増加。選手交代に伴い、3バックから4バックへスイッチした日体大柏は落ち着いてボールを縦横へ動かし、クロスからゴール前のシーンを作り出した。

 だが、旭川実は「今年はチームワークで勝つ。誰が出ても勝てるチームになろうというのが今年のチームの目標なので、全員で声を掛け合って一体感を持ってやれるように、自分が締めて一丸になってできるようにしています。他の強豪校のCBに比べると、(高さなどのない)自分は頭の良さで勝負していかないといけない」というCB中村大剛主将(3年)とCB渋谷一樹(3年)が予測動作を速く、また継続してコーチング。加えて、チーム全体で運動量を維持しながら我慢強い守りを続け、決定打を打たさない。

 逆に後半開始直後、旭川実はサイド攻撃から連続でチャンス。2分には、MF長谷川羽空(2年)の左クロスをファーサイドの大野が頭で合わせて2-0と突き放した。対する日体大柏は8分、右CKからFW平野伶(3年)がポスト直撃のヘッド。そして10分には、DFラインからのロングパスを起点にMF中村駿輝(2年)の上げた左クロスを平野が合わせて1点差とした。

 日体大柏はDF神野匠斗(1年)とDF神田琉汰(3年)の好フィードを交えた攻撃で一気に同点を目指すが、旭川実はしっかりとボールを弾き返しながらサイド攻撃を狙い、柴谷のスルーパスから決定機も作り出す。チャンスを作りながらも3点目を奪うことはできず、終盤はやや緩みがあったものの、2-1で勝ち切った。

 旭川実は和倉ユース予選リーグ初日の前橋育英高(群馬)戦、帝京大可児高(岐阜)戦で計8失点。北海道で堅守を発揮してきたチームだが、全国上位の相手に寄せ切ることができないなど課題が出て、失点を重ねてしまっていた。だが、その後は3試合で2失点。納得はしていないものの、全国級の相手との対戦が続く中でより強く行く部分などの意識は高まってきているようだ。

 中村は今年の旭川実の特長について、「仲の良さ」を挙げる。「ピッチの外でもそうですけれども仲が良いので、それを馴れ合うのではなくて、本当の意味でも仲の良さを出していきたい。自分たちの代ではチーム一丸となって、一体感を持って、全国ベスト4を目指して行けたら良い」。仲が良いからこそ、仲間に厳しく接することができるチーム。昨年から唯一先発のMF大泉椋耶(3年)を欠く中、仲間の分も戦って北海道予選を制した旭川実がインターハイでまとまりの良さやハードワークする力を発揮し、静岡学園高(静岡)などを破った17年大会の8強を超える。

(取材・文 吉田太郎)
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