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[和倉ユース大会]「思っていたよりも選手が成長」の流経大柏、課題残して準Vも縮めた宿敵との差

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流通経済大柏高MF渋谷諒太主将は豊富な運動量と技術力で反撃の中心に

[7.31 和倉ユース大会決勝 青森山田高 2-0 流通経済大柏高 七尾市城山陸上競技場]

 積み上げてきた成果を示した。だが、まだ届かなかった。流通経済大柏高(千葉)は、5月のプレミアリーグEASTでの対戦時に0-3で敗れている青森山田高(青森)と決勝で再戦。MF渋谷諒太主将(3年)が「肉体系では絶対に勝てないので、自分たちは下で勝負すると言っていて、絶対にボールを動かせれば自分たちのペースを握れると思っていた」と振り返ったように、グラウンダーのパスワークで勝負した。

 前回は後半に足を止まり、3失点。だが、今回は榎本雅大監督が「小林、松本、渋谷の3人で5枚分くらい走っている。山田の子たちは対応しているけれど、人数多いなと感じたのでは」と称賛したMF小林恭太(3年)、MF松本洋汰(3年)、渋谷の運動量と、こだわって取り組んできたグループでの崩しなどが噛み合い、後半は青森山田を圧倒するような時間帯もあった。

 フェスティバルでの対戦だったとは言え、選手、スタッフも前回の対戦時から差を詰めたこと、積み上げてきたものの成果を実感。作り出したチャンスの数を含めて、榎本監督は「思っていたよりも選手が成長していた」と頷く。

 今回の和倉ユース大会は、U-18日本代表候補の右SB大川佳風(2年)が初戦で負傷離脱するアクシデントがあったが、大会を通して安定した戦いを見せ、決勝ではレフティーのMF大田原蓮(3年)が躍動するなど収穫も多かった。

 一方で今回も青森山田に敗戦。渋谷は「勝負では相手の方が一枚上手だったかなと思います。シュート数はウチの方が多いけれど、シュート数の勝負ではないので。セットプレーで取られたのは自分たちの隙。インハイの前に1試合できて良かったと捉えるしか無いんで、やることは変えずにもっともっと詰めていきたい」と力を込めた。

 27日から5連戦ということもあり、この日の決勝はコンディション面を優先する考えもあった。だが、選手たちが、青森山田と「やりたい」と対戦を強く熱望。選手たちがメンバーを決めて挑戦し、決定力、セットプレーの守備など自分たちの課題、青森山田との細部の差も確認することができた。

 この試合をインターハイやこの先の戦いに繋げれなければならない。榎本監督は「行きあたりばったりじゃなくて、ちゃんと力を付けてきていると思った。いつも言っているけれど、(自分たちは)積み上げていくしかないので、ここで追いつくのか、冬で追いつくのか。でも、(青森山田を)仕留めないと絶対にチャンピオンにはなれないから」という。ライバルを上回るため、やってきたことを信じてさらに積み上げて行く。

 インターハイでは、互いに勝ち上がれば準決勝で激突。渋谷は「山田もこれじゃ終わらない。違いを出せるように。(ただし、)山田だけが相手じゃないので、先を見ずに一戦一戦全部勝って日本一を取れれば良い」。手応えと課題を得た決勝からさらに成長し、インターハイを勝ち抜く。

(取材・文 吉田太郎)
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