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[Balcom BMW CUP]セカンドチームから加わった選手たちも健闘。鳥栖U-18が広島県高校選抜U-18を3-1で下し、2位に

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サガン鳥栖U-18はMF田口涼太らの活躍で2位に

[8.11 2021 Balcom BMW CUP最終日 鳥栖U-18 3-1 広島県高校選抜U-18 広島一球]

 広島県のサッカーのレベルアップを目指す招待大会「HiFA平和記念 2021 Balcom BMW CUP 広島ユースサッカー」は、11日に最終日を行った。サガン鳥栖U-18と広島県高校選抜U-18の一戦は、FW大里皇馬(2年)の先制ゴールを皮切りに3点を奪った鳥栖が3-1で勝利した。

 序盤に見せ場を作ったのは、MF田口涼太(3年)が「この大会最後の試合ということで、最後は皆でしっかり勝って終わろうと話していた」と話す鳥栖。立ち上がりからテンポよくショートパスを繋ぎ、MF鬼木健太(2年)の左クロスからチャンスを伺った。

 前半17分には相手エリア左でFKを獲得。「クラブユースはスタンドから見ていたので、その悔しさを晴らすために何か残してやろうと思っていた」田口が、ゴール前に入れたボールを走り込んだ大里が頭で合わせた。

 31分、鬼木の左クロスは相手DFに跳ね返されたが、右サイドにこぼれた所を田口が回収。再びゴール前に入れるとMF中村尚輝(3年)がヘディングで決めた。鳥栖の攻勢は2点を奪ってからも止まらず、40+1分には連携からDF戸田峻平(3年)が右クロス。ファーに流れたボールを鬼木が上げ直すと、ゴール前の大里が頭で合わせ、最後はDF安藤寿岐(3年)が左足ボレーを叩き込んだ。

 前半で試合の大勢を決めた鳥栖だが、後半は展開が一変する。前半は4-3-3同士でがっちり噛み合った前半のシステムから、広島県高校選抜が3-6-1へと変更。広島県高校選抜は「負けているので、勢いよく前から行くしかなかった」(MF田部健斗、広島皆実高3年)と前からの守備意識を強めるとともに、後方で数的優位を作ることで、MF中島永弥(広島皆実高3年)らが良い状態でボールを受ける場面が増えた。

 鳥栖が、「後半に入ってからは簡単なミスやコミュニケーション不足が原因で、相手の勢いに飲まれてしまった」(DF安藤寿岐、3年)ことも相まって、広島県高校選抜の流れで試合が進んでいく。

 広島県高校選抜は後半10分、左サイドでリスタートの機会を得ると、MF島津大輝(広島皆実3年)とのパス交換から中島がゴール前にクロス。待ち構えたDF有福拓真(如水館高3年)がバックヘッドで合わせて、ゴールネットを揺らした。

 そのまま試合は3-1で終了。広島県高校選抜の反撃は1点のみで終わったが、ここまでの2試合は無得点に終わっていたため、価値のあるゴールだったのは間違いない。U-17日本代表、プレミアリーグ勢の鳥栖U-18と広島ユースといった年代トップクラスのクォリティーを肌で味わったのも大きな収穫で、田部は「自分たちが上に行くには、今大会で対戦したチームの選手を越さなければいけない。大会を通じて高いレベルを経験できたのは、自分たちの今後に繋がっていくと思う」と口にした。

 勝った鳥栖U-18は、2勝1敗の2位で大会を終えた。トップチームに帯同するDF中野伸哉(3年)とMF福井太智(2年)ら複数の主力が不在となったため、普段はセカンドチームを主戦場とする選手がより厳しい試合経験を積めたのは、今大会での収穫だ。正確な左足キックで、見せ場を作った田口もその一人。これまでは思い通り、プレミアリーグWESTの試合に絡めなかったため、後期にかける想いは強い。今大会は、「この3年間迷惑かけてばかりだったので、ピッチに立った時にチームのために頑張っていきたい」と話す男が巻き返すきっかけになるはずだ。

(取材・文 森田将義)

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