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[MOM3583]新潟U-18DF丸山嵩大(2年)_アルビの未来を担い得るCBは「自分を犠牲にしてでも守備するのは当たり前」

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アルビレックス新潟U-18の注目株、DF丸山嵩大

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.25 高円宮杯プリンスリーグ北信越第16節 新潟U-18 0-0 北越高 新潟聖籠スポーツセンター]

 後半39分。必死に伸ばした右足に、相手が放った決定的なシュートが当たる。あるいは決勝点になってもおかしくない時間帯で繰り出した決死のブロックには、ディフェンダーとしての矜持が詰まっていた。

「やっぱり自分はディフェンスなので、『1試合で失点はなしだ』とはずっと考えていますし、最後まで戻って守備をすること、自分がどうなっても、自分を犠牲にしてでも守備するのは当たり前だと思ってずっとやっているので、最後にああやって守れて良かったかなと思います」。アルビレックス新潟U-18のディフェンスを束ねるセンターバック、DF丸山嵩大(2年=アルビレックス新潟U-15出身)の意地が、チームに勝ち点1をもたらした。

 約2か月ぶりの公式戦となった北越高(新潟)とのプリンスリーグ北信越第16節。「相手が結構前からプレスに来ている中で、繋いで繋いで奥を狙ったりとか、逆にライン間を狙ったり、ビルドアップの面ではチーム全体で安定していました」と攻撃面での手応えは感じていた一方で、守備面では課題が多かったと丸山は90分間を振り返る。

「自分たちが意図を持って守備で奪えなかったりしましたし、セカンドボールの回収は相手の方が速かったので、そこをもっと改善すれば、次の試合はもっと良い内容になるのかなと思います」。その中で冒頭のシュートブロックは試合の最終盤。北越が良い流れからエリアへ侵入してきたものの、シューターをサイドに追いやりつつ、何とか右足でボールを弾き出す。

「『切り返しはないな』と思ったので、あのタイミングで伸ばした足に当たって良かったと思います。あまり覚えてないですけど(笑)」と笑った丸山だが、1対1での対人守備は前線へのフィードとともに自身でも武器と捉えているプレー。本職の守備でチームにプラスアルファを与えられる力を、しっかりと発揮してみせた。

 U-18に昇格したばかりの昨年から2種登録されるなど、クラブからの期待も大きいが、メンタル的にはうまく重圧を逃がしているという。「周りからのプレッシャーはありますけど、やることは変わらないので、ユースでやれることをやって、それが評価されればトップに行けると思いますし、足りなかったら呼ばれないでしょうし、そこはプレッシャーというよりも、モチベーションにしてやっていますね」。

 トップチームの活動に参加した際には、“中学校の先輩”から大いに刺激を受けている。「早川史哉くんは中学も一緒ですし、同じユース出身ということもあって、トップの練習に行った時にはずっと見習わせてもらっていました。キャンプでも良くしてもらいましたし、人間性も本当に尊敬しています」。中でも印象に残っている言葉がある。

「自分がケガ明けで、『悩んでいる時期はどうしたらいいですか?』と聞いた時に、『今やれることをやる。今出し切れることを出す』とは個人的にも言われましたし、自粛期間中にあったU-18のミーティングに史哉くんが出てくれた時にも話していたので、その言葉は大事にしています」。偉大な先輩の言葉を胸に、目の前のトレーニングで、試合で、すべてを出し切ることを、常に念頭に置き続けてきた。

 3歳で始めたサッカー。その頃からずっと憧れてきたオレンジのトップチームは、もう自分があと少し手を伸ばせば、届く位置にまで近付いてきている。「ビッグスワンには小さい時からずっと行っていましたし、ポジションは違いますけど、東口(順昭)選手がずっと好きで、チャントも印象的で『カッコいいな』と思ったり、そういうのを見てきた中で、ずっと憧れ続けてきた部分もあります」。

「来年はトップと契約できるように、ここから1つ1つコツコツと練習を積み重ねていきたいですし、世代別代表のキャンプにも呼ばれるように、ユースでできることをやることと、今出し切れる力を100パーセントで出すことは、ずっと継続してやっていきたいと思います」。

 ポテンシャルは十分。目の前の努力を地道に積み重ねていける力もある。オレンジの未来を担い得る新時代のセンターバック。ビッグスワンのピッチに立つ日を夢見て、丸山はさらなる成長を重ねていく。

(取材・文 土屋雅史)
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