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目標はインハイ準優勝時のDFリーダー。富山一は夏休みから先発のDF能浦大嬉が5バックの中心で存在感

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DF能浦大嬉は幅広いカバーリングで堅守・富山一高の守りを支えた

[10.2 高円宮杯プリンスリーグ北信越第17節 富山一高 1-1 富山U-18 富山一高G]

 富山一高は夏休みから先発起用されているという3年生DFの存在が大きかった。DF能浦大嬉(3年=氷見FC出身)は5バックの中央で幅広いカバーリング。「後ろ5枚でしっかり声を掛けて、チャレンジとカバーをできたので良かったと思います」。後半立ち上がりにゴールキックを跳ね返される形で抜け出されて失点。その1点を反省していたが、能浦は的確な守備とキック精度の高さを発揮するなど先発起用に応えるパフォーマンスだった。

 それまで、富山一の最終ラインの中央は高さのある2年生がプレー。大塚一朗監督は能浦起用の理由について、「アイツは頭が良くて、本当にカバーリングもできる。攻撃の起点にもなれるということで一番利いていたかなと思ったので」と説明する。

 能浦は先発を獲得するために「基本を真面目にやるとか練習を真面目に取り組んできました」。下級生には負けたくないという思いも成長の糧に。登録身長175cmと特別な高さの無い能浦は、背後の対応を精力的に続けることや攻撃面で信頼を勝ち取ってきた。富山一では一時、下級生が先発の半数以上を占めていたというが、能浦をはじめ、3年生の巻き返しがチームを活性化している。

 この日は得意のロングキックの本数を十分に増やせず、競り合いの部分もまだまだ磨かなければならないと考えている。その能浦の憧れの存在は2年前のインターハイ準優勝時の守備の柱、DF牧野奏太(現立教大)だ。

「キックも上手くて、守備がめっちゃ上手くて近づきたいと思っていました。カバーは追いついてきていると思うけれど、キックや声を掛けるところが足りない。あの時は強い世代で、みんな声を出していて、それでも(牧野は)目立つくらい出していた。それに近づけるようにしたいです」。全国大会のファイナル進出に大きく貢献した先輩DFのように、守備とキック、声でもチームを支え、選手権出場、日本一を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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