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5年前、FC LAVIDAの名を広めたリーダーが昌平の守備の柱に。CB八木大翔は“坪井慶介のような”DFへ成長中

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昌平高CB八木大翔はスピードを活かした守備で対抗

[10.3 高円宮杯プリンスリーグ関東第14節 昌平高 0-3 前橋育英高 昌平高G]

 3位・昌平高は1か月半ぶりとなる実戦で0-3敗戦。DFリーダーのCB八木大翔(3年=FC LAVIDA出身)は「自分たちのミスから失点してしまった。全体で声掛けて、一人に対して誰かが声掛けて全体でカバーするというのが今日は少なかったと思います」と反省した。

 この日は3-3でもおかしくないような内容。だが、前橋育英の堅い守りの前に最後までゴールをこじ開けることができず、逆に昌平は失点を重ねてしまった。八木は、前橋育英が自分たち以上にセカンドボールを拾うことへの執着心や球際の強さを発揮していたことを実感。「自分が一番色々見えるところですし、自分がチームをまとめないといけないと思う」と誓っていた。

 今年の昌平には、昨年から先発を務める快足右SB本間温士(3年)がいるが、八木は「それ以上」とも言われるスピードの持ち主。「自分はスピードに自信がある。そこでは負けたくない」というように、スピードを活かしたカバーリングで攻撃的なSBの背後を埋め、またスピード勝負を挑んでくるFWを封じている。

 プレースタイルは、浦和などで活躍した元日本代表CB坪井慶介氏に近い。「自分、(小学生時代に)LAVIDA CUPという大会があるんですけれども、『坪井賞』をもらって、そこで調べて、(坪井選手は)スピードもありますし、ああなりたいなと」。FC LAVIDAのスタッフと交流のあった坪井氏が使用していたサイン入りスパイクを受け取り、自分もその姿を目指すようになった。

 登録身長は177cmで特別な強さがある訳でもない。現在は「JリーグのCBの人とかなり差があると思う」と分析する。それでも、スピードを活かした守りは魅力で昌平の藤島崇之監督も「しっかり声を掛けてくれる。サッカーセンスが高いですし、広く守れるところがある」力を高く評価するCB。本人は「尊敬している」という日本代表CB吉田麻也のリーダーシップを見習いながらチームをまとめ、昌平の勝利に貢献していく考えだ。

 5年前、昌平の系列チームであるFC LAVIDAの主将、守りの要として「newbalance CHAMPIONSHIP U-13」で優勝。当時無名だった街クラブのFC LAVIDAは、Jアカデミー4チームを破るなど6連勝で頂点に立ち、関係者たちを驚かせた。LAVIDAはその後、19年の日本クラブユース(U-15)サッカー選手権8強。20年には、街クラブながら関東ユース(U-15)サッカーリーグ1部優勝という快挙を成し遂げた。すでにOBを含めた10選手が年代別日本代表候補入りを果たしている。

 当時、「声を出すことで自分のチャンスにもなるし、チームのチャンスにもなる。このまま続けたい」「絶対1対1で負けずに攻撃で点も取って、競り合いにも勝つ選手になりたい」と誓っていたDFは今年、チャンスで結果を残し、Jクラブからも注目される存在に。自分のミスもあったこの日の敗戦を糧にまたレベルアップし、チームをまとめて今冬、昌平の名を日本中に広める。

(取材・文 吉田太郎)
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