beacon

[MOM3701]前橋育英FW渡邊亮平(3年)_チーム得点王が2得点で鬼門突破に貢献

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半45+1分、前橋育英高FW渡邊亮平が右足で先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.12 高円宮杯プレミアリーグプレーオフDブロック決勝 長崎U-18 0-2 前橋育英高 Eスタ]

 ボールをコントロールしにいく11番の体は、少し歪んだと思った途端、右足から強烈なシュートを突き刺した。前橋育英高(群馬)に悲願のプレミアリーグ初昇格をもたらしたのは、FW渡邊亮平(3年)の2得点だった。前橋育英にとっては、プレミアリーグ参入戦5度目の挑戦で、ようやくの悲願達成。渡邊は「前橋育英は、プレミアに行けたことがなかったので、歴史を塗り替えたというところでは、すごく嬉しいです」と喜んだ。

 試合前には、2つの刺激があった。一つは、過去に敗れた先輩たちの映像を見たこと。もう一つは、試合前に同会場で行われたゲームで、同じ群馬県勢の桐生一高が劇的な勝利でプレミア昇格を決めたことだ。試合後には「映像を見させてもらって、絶対に(プレミアに)行かなきゃいけないと思いましたし、桐生第一が行ったので、負けていられないと思った」とかけていた思いを明かした。

 1点目は、前半26分。給水タイム明けに左からのクロスを押し込もうとした場面、ゴール前で競り合うと、仲間がつなぎ、最後は右MF小池直矢(2年)が背面パスでボールを残したところを渡辺が右足でファーサイドへ流し込んでゴールを決めた。

 2点目は、前半終了間際。右からのクロスに反応。競り合った相手が倒れ、ファウルと思った相手の足が一瞬止まったチャンスを見逃さずにプレーを続け、前を向いて右足を振り抜くとゴールのニアサイド上を射抜いてゴールを奪った。

 自信を持っているゴール前のポジショニングの良さは、シュート場面以前に自身でボールを触っていることからもよく分かる。相手が反応できず、味方がパスを出せるコースをよく把握している。また、2点とも上体をひねりながらのシュートで体勢がキープしにくく、コントロールがぶれる可能性があったが、しっかりとミートした。体勢が苦しくなっても決め切る力もまた、彼の特長だ。

 山田耕介監督は「やっと、ですね。プリンスリーグではチームの得点王。リーグ全体でも2番手くらいに点を取っているんですけど(7得点)、選手権予選から一昨日(プレーオフ1回戦)まで取れなくて。でも、ひざから下の振りが速くて良い。一発ありますよ」と輝きを取り戻した得点源の活躍に笑みをこぼした。

 プレミア昇格という一つの目標を果たしたが、まだ大きな目標が残されている。28日に開幕する全国高校選手権での日本一達成だ。渡邊は「最近は全然点を取れていなかったので、絶対にこの(プレーオフの)決勝で決めたいと思っていたので、2点決めたのは今後の成長にもつながると思う。選手権に向けて、この2点は弾みになる。選手権でもチームトップのゴールを決めて、優勝に導きたい」と意気込んだ。高校最後の大舞台でも、蘇った決定力でゴールを奪い続ける。

(取材・文 平野貴也)
●高円宮杯プレミアリーグ2021特集
●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 地区大会決勝ライブ&アーカイブ配信はこちら

TOP