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[MOM3703]静岡学園MF高橋隆大(2年)_強気の仕掛け、強気の姿勢で決勝点。プレミアで旧友たちと対戦へ

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静岡学園高のU-17日本代表候補MF高橋隆大は決勝点をマーク

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.12 高円宮杯プレミアリーグプレーオフCブロック決勝 静岡学園高 3-2(延長)愛媛U-18 バルコム]

 強気の仕掛け、強気の姿勢が決勝点に繋がった。静岡学園高は2-2の後半27分にU-17日本代表候補MF高橋隆大(2年=ガンバ大阪Jrユース出身)を投入。愛媛U-18は前半から厳しい寄せを続けていたが、小さなドリブラーは飛び込んで来る相手をいなすようにかわしてクロスへ持ち込んでいく。

 高橋は「1対1やったら自信があった。ガッと寄って来ているのも分かっていた。自分が入ったらできるという自信はあったので、それをプレーで表現することを意識していました」。強気の姿勢でチャンスを創出していたMFは、延長後半3分に右サイドからの仕掛けとクロスで相手ハンドを誘発。PKを獲得した。

 本来のキッカーはFW松永颯汰(3年)。3年生が松永に託す姿も見えたが、高橋はキッカーを直訴する。「『オレ、行きます』と言って。(そうしたら、3年生が)『オマエら来年やるんやからオマエが蹴れ』と言ってくれたので、気持ちよく蹴れました」。相手GKを見て蹴ることも多いという高橋だが、この日は思い切り振ることを重視。右足で左へ蹴り込み、自らのゴールでプレミア昇格を決めた。

 独特なリズムのドリブルと左右両足からのシュートが武器の高橋は今季、選手権予選などで先発を務めてきた。だが、ゴール前での精度を高められず、ここ2か月間の公式戦は無得点。怪我から復帰し、結果も残している清水内定MF川谷凪(3年)に再び先発の座を奪われてしまう。だが、自主練の量と質を高め、ゴールを意識してきたドリブラーが大一番でチームを勝たせる活躍をして見せた。

 以前、川口修監督は高橋がやや上級生に遠慮している部分があることを指摘していた。だが、この日のプレーについては「途中から入った高橋が仕掛けまくってPKを取れた。あれが大きい。強気で行け、点に絡めよ、と言って彼は奮起してやってくれた」と評価。高橋も「エスパ内定の凪くんがいて、その中で揉まれていて凄く悔しい思いもしているんですけれども、プラスに捉えて、こういう(厳しい状況の)中でチャンスを活かせる選手になりたいと思っていたので、結果残せて良かったです」と微笑んだ。

 1年時に名門の10番を背負っている高橋は来季、現1、2年生たちとともにプレミアリーグを戦う。「これは年間通しての大会なので、自分だけじゃなくて先輩らが凄く活躍して下さって本当に感謝していて、先輩の分も歴史を背負って戦わないといけない。引き締めてやりたい」という。

 G大阪ジュニアユース時代に10番を背負って高円宮杯日本一を経験しているMFは「(WESTに入ることが有力だが、知り合いの多い)セレッソとか、ガンバとか、ヴィッセルとやりたい。先輩たちが僕たちに残してくれたように、僕らもしっかり結果を残して、後輩たちに繋げていきたい」と旧友たちとの対戦で結果を残す意気込みだ。

 まずは選手権に集中。「もちろんスタメンで出たいというのは強く思っているので、選手権前の最後の公式戦でこのような形で結果を残せたので、アピールして、全国に自分の名前を響かせられるようにやっていきたい」と力を込めた。自身初の選手権でも強気の仕掛けと強気の姿勢でゴールを引き寄せる。
 
(取材・文 吉田太郎)
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