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[MOM3704]川崎F U-18DF松長根悠仁(2年)_苦戦の前半はしのぎ、後半に先制ヘッドと被シュートゼロでプレミア導く

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後半9分、川崎フロンターレU-18CB松長根悠仁(20番)が先制点を喜ぶ

[12.12 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ Bブロック決勝 川崎F U-18 3-0 阪南大高 広島一球]

 初めて出場するプレミアリーグプレーオフ。川崎フロンターレU-18に貴重な先制点をもたらしたのは、2年生のCBだった。後半9分、FW五十嵐太陽(3年)が左サイドからセンタリングを送ると、松長根悠仁(2年)には誰もマークがついていない。「完全にフリーだったので、少し緊張しましたけど、狙い通りに合わせた」と振り返るヘディングシュートでネットを揺らした。

 両手を広げてゴール裏へと走るヒーローに、アップ中だった控えメンバーやピッチ上の選手が次々と集まり、歓喜の輪ができる。このゴールで勢いに乗った川崎Fは、五十嵐が2点を追加して3-0で快勝。クラブ悲願のプレミア昇格を果たした。

 相手の阪南大高は2日前に1回戦を消化しており、迎え撃つ形の川崎Fはコンディション面で優位な状況。だが前半は、長橋康弘監督が「セカンドボールの争いで戦い、ヘディングで競って、敵陣で試合を進めたいと話していましたが、自陣でのサッカーになり、かなり苦しかった」と語ったように、FW鈴木章斗(3年)をターゲットとしてパワフルに攻め込んでくる相手に押し込まれる時間も長かった。

 それでも松長根は「相手は2日前に試合をして、疲れていると思っていたので、前半を無失点で終えて後半に勝負しようと話していた」と振り返る。CBでコンビを組んだ高井幸大(2年)は、同じ小学5年生のときに川崎Fのアカデミーに加入した同期。192cmの長身を生かしてロングボールに対応する高井と、それをフォローする松長根の連係で、思うように試合を運べなかった前半をしのいだ。

 高井とは「ジュニアからずっとセンターバックで組んでいるので、話さなくても意思疎通はできている。分からないところがあったら、話し合いながらプレーできた」と胸を張る。狙い通りに無失点で折り返し、自らのゴールで主導権を握った川崎Fは、守備でも後半は相手のシュートをゼロに抑えた。

 今年のチーム始動当初からの目標だったプレミア昇格を果たし、来年は自らその舞台に立つ。「下から上がってくるチームなので、チャレンジャーとして戦いたい」と謙虚に語った松長根は、それだけにとどまらず「プレミアリーグでも優勝して、ファイナルに出場したい」と意気込んだ。

(取材・文 石倉利英) 
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