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[横山杯]“信州のモドリッチ”へ。ブレイクの可能性秘める松本国際MF矢越俊哉

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松本国際高の10番MF矢越俊哉が先制PKを決める

[12.26 YOKOYAMA MEMORIAL CUP9位T1回戦 帝京安積高 0-4 松本国際高 鈴屋旅館グラウンド3]

 東北から九州までの強豪24校が出場した「YOKOYAMA MEMORIAL CUP2021」は、22年シーズンの活躍が期待される選手たちが多数出場。中でも目立っていた一人が、松本国際高(長野)の10番MF矢越俊哉(2年=川崎チャンプ出身)だ。

 まず目に留まるのが巧さ。自身のストロングポイントについて、「パスの正確性とボールを持った時の絶対に失わないところ」と語るMFは、シャドーの位置での余裕ある動きで攻撃の中心になっていた。

 この日の対戦相手はプリンスリーグ東北に所属する帝京安積高(福島)だったが、簡単には止まらない。ドリブル、パスを次々と繰り出し、右足PKで先制点。さらにコースを突いたシュートはGKのファインセーブに阻まれたが、直後にコントロールショットで2点目を決めるなど違いを見せつけるようなパフォーマンスだった。

「自分たち良い形を作れていたシーンが多くて、その中で自分が2点決めて流れを持って来れたのは良かったです。自分は結構小さい頃から技術というところでは自信があるので、それを上手く出せたかなと思います」。敗れた八千代高(千葉)戦も「自分自身は結構できていた」と自己評価。他地域の強豪校相手でも自分の力が通用する手応えを得ている。

 以前はオフ・ザ・ボールが課題に。だが、色々な選手のプレー動画を見て運動量を増やすること、ボールにより多く係ることを意識して改善したという。「運動量出して下でも作るし、前に運んだらそこでも係れるように意識しています」という矢越は、「他の人ともまた違ったようなプレーができるように、目立つようになりたいです。(理想は)モドリッチみたいな感じですね。攻撃も守備も頑張れる選手になりたい」と野心も口にした。

 これまで4人のJリーガーを輩出している松本国際の勝沢勝監督は「ラストパスの決断力が出てくるともっと良いと思う」と期待。現2年生の前線はFW高城泰史(2年)、MF岸琢人(2年)、MF二木楓(2年)と下級生時から先発を経験している選手が並び、強力な陣容だ。よりレベルの高い相手でも決断してラストパスを通し、自分でも決めて目標を達成する。

「(22年は)プリンス(リーグ北信越)参入戦で負けちゃったので、リーグ戦で優勝してプリンスに行くというのと、インターハイも優勝して、選手権でも優勝して、全国で戦っていける実力は絶対にあると思うので、全国で上に上に行けるようにしたいです」。まずは新人戦で1冠。フィジカル面の課題もあるが、十分にブレイクの可能性を秘める“信州のモドリッチ”が結果を残し続けて自身の将来を切り開く。
 
(取材・文 吉田太郎)
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