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[MOM3760]帝京FW齊藤慈斗(2年)_圧巻の身のこなしと強さで同点弾。「高卒プロ」目標の点取り屋

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後半33分、同点ゴールを決めた帝京高FW齊藤慈斗がガッツポーズ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NEW BALANCE CUP準決勝 帝京高 1-1(PK5-3)横浜創英高 時之栖裾野C]

 日比威監督が「プロに行って欲しい」と期待するストライカーが、帝京高(東京)を救った。「NEW BALANCE CUP 2022 IN TOKINOSUMIKA」(“裏選手権”)準決勝で横浜創英高(神奈川)と対戦した帝京は、後半21分にカウンターから失点。その後、反撃を続けるも横浜創英は寄せが速く、なかなか決定的なシーンを作ることができなかった。

 それでも終了2分前の33分、MF土本瑶留(1年)が左サイドからPA方向へループパス。FW齊藤慈斗(2年=バディージュニアユース出身)がゴールを背にして跳躍し、胸コントロールする。意識はゴール。「胸トラして、時間がなかったのでボールをもらったらゴールに向かうと決めていた」という齊藤は落下しながらターンを開始すると、対応したDFをかわし、左足シュートをゴールへ流し込んだ。

 父親のアドバイスで小学3年生から体幹トレーニングを続けているという齊藤が、圧巻の身のこなしと、特長である一瞬の加速力、強さによって生み出したファインゴール。「後ろ向きだったので、ボール持ってからゴールへの運び方が難しかったけれど、上手く(DFを)かわせたので流し込むだけでした」。直後にもPAで強引にDFを振り切って右足シュート。これはDFにブロックされたが、起死回生の同点弾とPK戦5人目の成功で勝利へ導いたエースストライカーを指揮官は評価していた。

 雪によって30分1本となった決勝はボールが前線まで届かず無得点に終わったものの、“裏選手権”7試合で計6ゴール。以前はチャンスメークすることに力を使いすぎていたが、ゴール前での仕事により重きを置くことで結果に結びつけている。「今大会は、結構意識してゴールの近くにいるようにしたら点も取れるようになっているので、継続していきたい」

 U-15日本代表候補選出歴を持つ齊藤が意識しているのは、同じ2年生でU-18日本代表候補のFW福田師王(神村学園高)だ。同じ13番を背負うストライカーを「超えられるようにしていきたい」と意気込んでいる。

 福田のように決定力を発揮し続けて、チームを勝たせられる存在、絶対的なエースストライカーになることが現在の目標。そして、「高卒プロを目指していきたい。自分の武器がフィジカルと身体の使い方とか、反転するところなのでそこを見てもらえるようにしていきたい」と語る齊藤が今年はゴールと白星を重ねて「高卒プロ」を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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