beacon

U-17日本高校選抜候補は東京国際大の強度や速さに苦戦も、FW澤田が1点もぎ取る

このエントリーをはてなブックマークに追加

2本目8分、U-17日本高校選抜候補はFW澤田佳憲(瀬戸内高2年)が右足で同点ゴール

 高校2年生を中心に構成されたU-17日本高校選抜候補が選考合宿を実施。21年関東大学リーグ2部優勝の東京国際大と練習試合(30分×3本)を行い、1-6で敗れた。

 U-17高校選抜候補は大学生の強度高く、スピードもある攻守の前に1本目から劣勢。なかなかセカンドボールを拾うことができず、逆にパスを3本、4本と繋がれて押し込まれた。MF真田蓮司(東山高2年)や左SB都築駿太(流通経済大柏高2年)がゴール前でカバーするなど粘っていたが、21分に東京国際大FW平田晟也(1年=関東一高)に右足ミドルを決められてしまう。

 U-17高校選抜候補は直後の23分、右サイドでのインターセプトからMF田原瑠衣(大津高2年)がスルーパス。ボランチの位置から飛び出したMF徳永涼(前橋育英高2年)が右足で狙うもシュートはGKに阻まれた。この後、大学生相手に攻守で健闘したチームはFW小林俊瑛(大津高2年)やFW廣井蘭人(帝京長岡高2年)がシュートシーンを迎えたものの、0-1で1本目を終えた。

 2本目、U-17高校選抜候補は左SH名願斗哉(履正社高2年)が存在感。コンタクトしないように意識しながら鋭いドリブルを連発し、2度3度とDFを振り切って見せた。U-17高校選抜候補は良い形でボールを奪って攻撃へ持ち込むと、5分にFW澤田佳憲(瀬戸内高2年)の右足ミドルがゴールを捉える。

 そして8分、右サイドの田原がループパス。相手の背後を狙った澤田がDF、GKよりも先に触れて前に出ると、最後はこぼれ球を右足でゴールへ蹴り込んだ。澤田は「(試合前の)ミーティングで裏を取るようにと言われていたので、裏を意識していました。田原君がボールを持った時に裏が空いているのが見えたので、裏抜けてボールをもらって、DFとGKが来ていたので、切り返したら良い感じに来て、あとは流すだけやったので良かったです」と振り返る。

 だが、東京国際大は10分、新1年生のMF飯野義介(山形ユース)の左CKを平田が頭で決めて勝ち越し。1分後には厳しいチェックでのインターセプトからFW古澤ナベル慈宇(1年=青森山田高)が左サイドを抜け出す。最後は折り返しを新1年生のMF三枝虎太郎(C大阪U-18)が押し込み、3-1とした。東京国際大は17分にもMF竹間永和(1年=鹿島ユース)が左足FKを鮮やかに決めて4点目。U-17高校選抜候補も前からプレッシャーを掛けてボールを奪うも、2点目に繋げることはできなかった。

 東京国際大はこの日、23年柏内定のMF落合陸(3年=VONDS市原、柏U-18出身)や注目FW師岡柊生(3年=日本航空高)が不在。それでも、有力高校生との差を示し、主力級が出場した3本目もリードを広げた。8分、右中間を抜け出したFW尾崎岳人(1年=堀越高)がGKをかわして5点目。16分には左中間から仕掛けたMF重野祥輝(2年=神戸U-18)が左足でニアサイドをぶち抜く。
 
 連戦の疲れもあったか、U-17高校選抜候補は士気も上がらず、苦しい試合に。試合終盤、左SB保田成琉(阪南大高2年)がコンビネーションで抜け出したり、FW本間凜(関東一高2年)がDFと競りながら強引にシュートを放つシーン、MF篠田翼(昌平高2年)が左サイドを強引に突破するシーンなどもあったが、昨年の日本高校選抜を支えたCB板倉健太(1年=山梨学院高)らが守る相手ゴールを破れなかった。

 徳永は「単純にフィジカルが違うというのがあったんですけれども、フィジカルが違うからこそ3人目だったり、周りの距離感が大事。まだ会ってわずかというのが出たのかもしれないですけれども、もっとコミュニケーションを取って、1人に対して2枚で数的優位を作るという面が今日の試合では足りなかったので、意図的に前に進むことはできなかったと思います」と指摘。選手、スタッフを交えて前向きに課題を改善したチームは翌日の練習試合の好結果に繋げた。

 この日、チーム唯一の得点をマークした澤田は「結果を残したことは、FWですし、得点にはこだわっていたので良かったです」と語り、「候補に選ばれたからにはしっかり生き残って経験して上のステージでやりたいと思っています」と意気込んだ。22年度の高校サッカーを引っ張る1、2年生たちは、U-18日本高校選抜や大学生との練習試合で実感したことを今後に繋げる。

(取材協力=スフィーダ、『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 全試合ライブ&ダイジェスト配信はこちら

TOP