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青森山田で学んだ「勝ちにこだわること」を日本高校選抜でも。MF藤森颯太が「NEXT GENERATION MATCH」必勝を誓う

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“3冠”青森山田高の中心選手、MF藤森颯太が日本高校選抜を牽引する。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 第100回全国高校サッカー選手権の優秀選手から構成された日本高校サッカー選抜が、「NEXT GENERATION MATCH」(2月12日、日産)で川崎フロンターレU-18(神奈川)と対戦する。

 高校選抜のメンバーは、選考合宿を経て23名が決定。選手権で圧倒的な強さを示し、3年ぶり3回目の優勝を飾った青森山田高(青森)からは、MF藤森颯太(3年=青森山田中出身)とMF田澤夢積(3年=青森山田中出身)の2人が選出されている。

 藤森は選考合宿で「この活動は選ばれればU-18のフロンターレとの試合もありますし、(デンソーカップチャレンジサッカーで)大学生との試合も控えているので、自分のこれからのサッカー生活にとって、良い経験ができる活動かなと思っています」と語っていた。

 日本高校選抜は過去2年、「NEXT GENERATION MATCH」でJリーグクラブユースチームに敗戦。結成後数日での試合で難しさがあるとは言え、高体連の代表として負ける訳にはいかない。

 藤森は「自分たちは高体連の代表として活動をしているので、ユースチーム相手には負けられないですし、そういうプライドはもって戦わないといけないのは大前提。ここ最近負けていることに関しても、勝負は勝ちにこだわらないといけない。短期間でこの選手達で上手くやっていけるかはこれからの自分たちの意識とトレーニング次第だと思うんですけれども、そこへ向けてチーム全員で、選抜チームで絶対に勝ちたいと思います」と誓った。

 21年度の青森山田はインターハイで大会新記録となる30得点を叩き出し、16年ぶりの日本一。さらに“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEASTでもリーグ記録の開幕7連勝を飾るなど頂点に立った。そして、選手権も制し、高校年代“3冠”を達成。先制された試合や追い詰められた試合、チームとして上手く行かない時期もあったが、青森山田は全員がキャプテンシーを持って意見を出し合い、その状況に対応し、苦境も乗り越えてきた。

 そして、積み重ねてきた白星。そのチームの中で抜群の突破力や高精度のプレースキック、目立つほどのハードワークで数々の勝利に貢献してきた藤森は「勝者のメンタリティー」を高校選抜にも注入する。「自分たちは夢積もそうですし、青森山田で6年間やってきた訳なので、選手権で優勝したこともそうですし、3冠を達成したこともそうですし、勝ちにこだわることをこのチームにとって良い影響として促していけたら良いと思っています」。選考合宿では初日から大声を出していたMF山市秀翔(桐光学園高3年)にも触発される形でリーダーの一人としての振る舞い。ランニングでも先頭に立つなどチームを引っ張っていた。

 選手権後は地元・青森で優勝パレードや優勝報告会などに参加。「青森帰ってからパレードなどをして頂いて、『自分たちが優勝したんだな』と実感が沸いてきたのと、それに連れて、山田の仲間とサッカーできなくなると考えた時に少し寂しい気持ちが出てきています」と振り返る。

 可能な時間を見つけて雪の青森で調整。選考合宿では選手権決勝以来となる芝の上でのサッカーを楽しんでいた。「あまりスプリントとかもしてこなかったので身体がキツかったりしたんですけれども、久々にこうやってボールを蹴ったりして、やっぱりサッカーは楽しいなという気持ちになりました。こうやって高校選抜に選ばれて、上手い選手達が集まってやれるというのは楽しかったり、刺激になったりという気持ちがあります」。勝ち続けて青森山田でのサッカーを終えた藤森は、青森山田の代表として高校選抜の活動に臨み、その勝利にも全力で貢献する構えだ。

「個人としての結果も大事ですけれども、今はこの活動として、チームの勝利が何よりも大事だと思うので、そこは本当に周りの選手を見ながら、コミュニケーションを取りながら、チームの勝利に貢献して、チームの勝利に貢献できるように頑張っていきたいです」と宣言。その中で、自身ももう1ランクレベルアップするためにボールを受ける際にアイディアを持って動くことや相手の逆を突くプレー、左足の精度向上にも挑戦していく。

 明治大へ進学する今年は、憧れもあったという寮生活に初挑戦。「大学生活がスタートする1年なので世代別代表とか上を見すぎずに、去年も関東の大学リーグで明治は優勝を逃していますし、サッカー選手をやっていく上で求められるのは結果だと思うので、個人としてもチームとしても良い結果で終われるように、チームだったら優勝、個人だったら試合への出場だったり、スタメン獲得というのを目標に、上を見すぎずにですけれども、手の届く範囲で上を見続けながらやっていきたいと思っています」。まずは高校選抜での活動に集中。貪欲に勝利を求め、大学生活に弾みをつける。

(取材協力=スフィーダ、『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校選手権2021
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