beacon

キャプテンはチェイス・アンリ!日本高校選抜が12日のNEXT GENERATION MATCHへ向けて本格始動

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本高校選抜合宿がスタート。CBチェイス・アンリがキャプテンに就任

 第100回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心とした日本高校選抜が9日、横浜市内で本格始動した。チームは選考合宿を経て23名を選出。合宿初日のトレーニングにはそのうちの22名と、サポートメンバーの尚志高(福島)3選手を合わせた25名が参加し、11対10での守備の連係やハーフコートでの11対11を行った。

 トレーニング直前のミーティングで仲村浩二監督(尚志高)は、教え子でもあるCBチェイス・アンリ(3年)をキャプテンに指名。圧倒的な強さ、高さを持つ“逸材”アンリは昨年、U-20日本代表候補、U-22日本代表へ“飛び級”し、アジアの戦いも経験してきた。そして、今年1月にはトレーニングパートナーとしてA代表の合宿にも参加。誰よりも多くの経験値を持つDFがその経験をチームに還元すること、またアンリ自身がチームリーダーとして成長することも期待されているようだ。

 アンリは事前に仲村監督から聞いていたというが、「大丈夫かなと。心配です」と苦笑する。それでも、トレーニングではともに副キャプテンのMF山市秀翔(桐光学園高3年)やMF藤森颯太(青森山田高3年)とともに声でチームをサポート。ゲーム形式のトレーニングでは積極的にコーチングしていた姿が印象的だった。

「自分もやらないといけないなと思いますし、自分も下手ですし、キャプテンになったので、声を出したり、そういうところをやって行きたいなと思っています。この年代ではやらないといけないし、引っ張る存在にならないといけないなと思いました」。プレーでもFW福田師王(神村学園高2年)と激しくマッチアップしたほか、手足の長さを活かした力強い潰し、高精度のサイドチェンジも。ただし、久々のゲームを楽しんだ一方、引き締めるシーンもあった。

「試合中にサボって失点してしまったので、2秒でもサボったら失点してしまうので、久しぶりに言われて良かったです」。会場でアドバイスを行った尚志・小室雅弘コーチに大事なことを指摘されて再確認。今月12日の「NEXT GENERATION MATCH」(日産)・川崎フロンターレU-18(神奈川)へ向けて、自身にとっても良いトレーニングになった。

 チームメートはアンリのキャプテン就任を歓迎する。選手権優勝、“3冠”メンバーの青森山田高MF田澤夢積(3年)は「(アンリは)A代表のトレーニングとか参加していますし、経験値は誰よりもあると思うのでそういうふうに経験ある選手がキャプテンとして引っ張っていくのは大事だと思います」と後押し。また、MF薬師田澪(大津高3年)は「後ろにいて対人も強いですし、安心感があります」と信頼していた。

 アンリは練習後、「ちょっと考えていました」という挨拶。「今日の夜はしっかりケアして明日また頑張りましょう」と言葉をかけた。A代表合宿で日本代表選手のピッチ外も確認。トップレベルの選手達が身体のケアやコミュニケーションをとても大事にしていることを学んでいるアンリは、その姿勢などもチームに伝える考えだ。

 日本高校選抜は全国の高校サッカー部の代表チームだ。チームは3月まで活動する予定。日本高校選抜としてのプライドを持って、目の前の試合で勝利していく。まずは川崎F U-18戦。アンリは「フロンターレは強いし、(普段から一緒にトレーニングして)しっかりチームになっている。自分達は(きょう集まって)あと3日しかないので、その中でチームを作り上げて、高体連のプライドとしてユースチームに勝ちたいし、(仲村)監督にも恩返ししたいし、勝ちたいです」。初日のトレーニング後、「もっとやれます」と語っていた注目DFが、キャプテンとして高校選抜を白星へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 全試合ライブ&ダイジェスト配信はこちら

TOP