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「負けることは嫌い」。日本高校選抜MF田澤夢積は青森山田同様に細部と結果にこだわる

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日本高校選抜合宿で左サイドから仕掛けるMF田澤夢積(青森山田高3年)

 自分がやるべきことはどこに行っても変わらない。求められていることを理解し、チームが勝つために走り、戦い、ゴールを奪う。日本高校選抜合宿初日の9日、MF田澤夢積(青森山田高3年=青森山田中出身)は“3冠”青森山田でも務めてきた左サイドに入り、11対10や11対11でドリブルでの仕掛けや数的優位を作るための献身的な守備を見せていた。

 雪の青森で思うようにトレーニングができた訳でない。自宅近隣の公園を走ったり、「雪かきとかは手伝っていました」と田澤は微笑む。それでも、日本高校選抜への思いは強い。「こうやってレベルが高い中でまたやれるのは嬉しいです。山田の代表でもあって、高校の代表でもあるので、責任・覚悟を持ってやりたいと思います」と意気込んだ。

 勝利へのこだわりは人一倍だ。日本高校選抜でもその姿勢を前面に出すつもりでいる。「負けることは嫌いなので、どの試合でも絶対に勝ちたいですし、勝ってやるんだと思って常にやっているので、相手どうこうとかじゃなくて、一戦一戦どの試合もしっかり戦って、目の前の試合に集中していけたら良いと思っています」と力を込めた。

 青森山田の黒田剛監督から学んだことを日本高校選抜が勝つために共有する。「細部にこだわるところ。小さなところにこだわってやれることが大事だと思います」。青森山田のゴールを隠す守備やシュートを打たせない守備を伝え、体現し、チームの勝利に結びつける。

 第100回選手権では優勝の立て役者の一人となったが、優秀選手に入ることができなかった。「選手権始まる前からここを目指してきて、自分は優秀選手に入れなかったので入れないかなというのは思っていたんですけれども、こうやって呼んでもらって凄く感謝していますし、呼んでもらったからには引っ張ったり、プレーで見せないといけない」。憧れの舞台であり、一度は遠のいたかと思っていた舞台。選考合宿を経てチャンスを掴んだサイドアタッカーは全力プレーを見せる。

 12日には「NEXT GENERATION MATCH」(日産)で川崎フロンターレU-18(神奈川)と対戦。出発前、参加することが叶わなかった青森山田のチームメートたちからは、「頑張って来いよ」とメッセージを受け取った。「応援してくれる人がいるので嬉しいなと思いました。チームのことが第一なんですけれども、個人としては得点やアシストとか目に見える結果のところにはこだわってやっていきたいと思います」。新潟医療福祉大での大学生活にも弾みをつける活躍をすることができるか。歓喜に舞った国立決勝以来となる真剣勝負まであと3日。田澤が細部と結果にこだわり、また新たな白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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