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中国地方から4年後プロへ。快足左SB海老沼慶士は「自分を出して」日本高校選抜の活動をアピールの機会に

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日本高校選抜の快足左SB海老沼慶士(米子北高)は4年後のプロ入りを狙う

 自分を前面に出して、ゴール・勝利に貢献する――。快足左SB海老沼慶士(米子北高3年)は4日の日本高校選抜合宿初日後、自分を「もっと出していきます」と誓った。

 抜群のスピードを活かした攻撃参加と左足クロス、カバーリングの速さなどの武器を持つ海老沼は、昨年のインターハイで米子北にとって12年ぶりとなる決勝進出、準優勝に貢献。選手権は初戦敗退に終わったものの、評価を得て日本高校選抜候補に選出されると、選考合宿でアピールして日本高校選抜入りを勝ち取った。

 ただし、ここまで日本高校選抜では思うような活躍をすることができていない。2月12日のNEXT GENERATION MATCH(対川崎F U-18)ではベンチ入りしたが、出番のないまま0-1で敗戦。2年時から米子北で先発を務める海老沼は、久々に「出られない悔しさ」を味わう一戦となった。「出たい、という気持ちがありました。自分が出ていたら、もっとクロスを入れられたんじゃないかと思います」。

 これまでは、個性派集団の中でやや遠慮していた部分があったという。反省を踏まえ、今回は強い気持ちを持って合宿をスタート。だが、初日はまだこれまでやってきたことが出せなかったと分析する。3対2の攻守ではタイミング良くスペースへ飛び出して決定的なシュートを連発。だが、決め切れず、「もっと自分のスピードを活かしてドリブルやクロスをもっと上げられていたら良かった」と首を振った。

 また、左SBとして臨んだ6対7の守備トレーニングではオフェンス陣にほぼゴールを許さず。海老沼も素早いカバーリングを見せていたが、完璧に封じることはできなかっただけに「絶対にやられないという気持ちでやっていきたい」と満足していなかった。

 日本高校選抜でも十分に活躍できるだけの力の持ち主だ。だからこそ、自分に高いレベルを求めて次回以降のトレーニングやヤングサッカーフェスティバル(3月6日、対静岡ユース選抜)、大学選抜と戦うデンソーカップチャレンジ(3月9日~13日)へ。そして、しっかりと自分の良さを出し切る意気込みだ。

 3月1日に米子北高の卒業式を終えた海老沼は、春から中国大学1部リーグ王者のIPU・環太平洋大へ進学する。練習参加していたJクラブからも一定の評価を得ていたが、昨夏の段階で大学進学を決断。有力選手の多くが関東中心に関西、九州の大学へ進む中、中国地方からプロ入りを目指す。

「まず1年から試合に出て、(大学選抜に入って)デンソーとかも出て、1年から良い経験積んで行ってプロになりたいと思います」。覚悟を持って臨み、他地域の大学に進む選手たちに負けない4年間を過ごす考えだ。目標のプロに近づくためにはメンタル面の強化、そして持ち味を常に出してより多くのチャンス、ゴールを生み出すことが必要だと考えている。

 米子北の同期ですでにJ2デビューを果たした岡山MF佐野航大や、その兄で町田の先輩MF佐野海舟とプロの世界で対戦することも目標。まずは、将来への貴重なアピールチャンスとなる日本高校選抜の活動で自分の力を発揮し、勝利に貢献してその名を広める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2021

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