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人間性を学び、プレー成功率上げた大津での3年間。MF川口敦史は日本高校選抜でも成長と結果にこだわる

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日本高校選抜MF川口敦史(大津高)はヤングサッカーフェスティバルでのゴール、アシストを誓った

「自分は前の選手。攻撃の部分でゴールやアシストという結果を残すことが一番大事だと思うので、そこを意識して取り組みたいと思います。(得意のFKは)近い距離だと狙えると思うので、そこは自分が蹴るという気持ちで練習から取り組みたい」

 日本高校選抜MF川口敦史(大津高3年)は、「第37回静岡県ヤングサッカーフェスティバル」(3月6日、草薙)と「第36回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会」(3月9日~13日、Jヴィレッジ)で結果にこだわる。

 今冬の選手権では、初戦で2アシスト、2回戦では2ゴール1アシストと“公立の雄”大津高(熊本)の攻撃を牽引。大会優秀選手に選出されると、日本高校選抜選考合宿では鮮やかな直接FKやコントロールショットでゴールを決めてアピールし、日本高校選抜入りを勝ち取った。

 サッカー面において、大津の3年間で成長できたことはプレーの成功回数が増えたことだという。それが、大舞台で狭い局面を打開するドリブル、アイディアあるパスを発揮できたことに繋がった。だが、日本高校選抜ではなかなか同じようにプレーすることができていない。大学生との練習試合では、ボールを置く位置のわずかな甘さや判断の遅れによってロスト。「まだまだ低いと思います」という量と質を少しでも改善し、自分の活躍に繋げる考えだ。

 今回の合宿に向かうに当たり、“元”チームメートたちの後押しを受けた。3月1日に大津の卒業式を終えたばかり。「大津高校サッカー部の同級生たちが『頑張れ』とか言ってくれたので、力になっていますね」と微笑む。

 そして、高校卒業後も日本高校選抜の一員としてプレーできることに感謝。「こうやって高いレベルでサッカーをやれることに、感謝という気持ちですね。少しでも自分が成長できたり、他の選手の良いところを盗んだりできるようにしたいと思っています」と力を込めた。

 大津での3年間で最も学んだことは、学業やサッカーではなく、人間性の部分なのだという。「自分が一番学んだことは人間性の部分ですね。サッカーはどこの学校でも学べると思うんですけれども、(大津の平岡和徳総監督やスタッフは)人間性の部分を凄く大事にしているので、そこの部分では凄く成長させてもらいました」と振り返る。

「中学校の頃はちょっとやんちゃ系でした」と笑う川口だが、大津での日々によって当時の恩師も驚くほど変貌。「目上の方と喋れるようになりました。(同級生とも)あまり喋れる方じゃなかったので、コミュニケーションを取ったりすることは凄く成長できたと思います」と頷く。同時にサッカーでは思いやりを持ってプレーできるように。大津で学んだチームのために頑張る力をこの高校選抜や進路の順天堂大でも表現していく。

 川口はヤングサッカーフェスティバルでゴール、アシストすることを宣言。そして、デンソーカップチャレンジでは「他の選手よりも一足先に大学生のレベルを感じられるので、そこで少しでも学べるように、少しでも自分のプレーをチャレンジできるようにしたい」と誓う。今後は順大出身で、世界で活躍するMF旗手怜央(セルティック)の背中を追う4年間。その前に“最後の高校サッカー”で少しでも成長し、結果を残して大学へ進む。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2021

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