beacon

日本高校選抜がデンチャレ挑戦。MF小泉龍之介は静学で磨いた力が「どのくらい通用するのか見たい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本高校選抜MF小泉龍之介(静岡学園高3年→拓殖大)が高校時代に磨いた力で大学生に挑戦する

 第100回全国高校選手権で活躍した選手を中心に構成された日本高校選抜は9日、第36回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会(Jヴィレッジ)Group A初戦で東海大学選抜と対戦する。

 日本高校選抜はGroup Aで東海大学選抜、関東大学選抜B、U-20全日本大学選抜と対戦。MF小泉龍之介(静岡学園高3年→拓殖大)は、格上との3試合へ向けて「大学生と今の自分でできるので、フィジカルの部分とかドリブルとかパスとかどのくらい通用するのか見たいと思いますし、ここからフィジカルをつけた上でどのくらいできるのかしっかり見たい、経験したいなと思います」と意気込んだ。

 小泉は静岡学園のボランチとして臨んだ選手権で3ゴールを記録。ボランチの位置でのボールを運ぶ力やさばく力、自信を持つ守備力に加え、その得点力でJリーグクラブ内定のチームメート4人に負けない輝きを放った。

「今までの自分は後ろにいてボールを散らしたり、守備的で行くことが多かったんですけれども、選手権始まる前くらいから得点のところもしっかり頭に入れて、ヘディングとかも結構決めれていて、選手権入ってしっかりゴールも目指さないといけないと思って3点取ることができたので、自分的にもちょっと成長できているのかなと思っています」
 
 小泉にとって静岡学園での3年間は、上のステージで勝負する土台を築く3年間だった。入学時、「自分の特長はゲームのバランスを保って守備もしっかりやって、上がる時はしっかりと上がって、攻撃に参加できるところです」と語っていたMFは、静岡学園で徹底的に技術レベルを向上。また、本人は2年時にSBにコンバートされたことが大きかったと感じている。

「高2の時に1年間くらいSBやっていて、そのSBやっている時に間合いの詰め方とか相手の重心の向きとかが自分では分からないですけれども感覚的についたのかなと思っています」。研ぎ澄まされた守備の感覚を昨年はボランチで発揮。控えに回った時期もあったが、選手権は攻守で力を表現し、日本高校選抜でプレーするチャンスを勝ち取った。

 その日本高校選抜では、まだ満足の行く結果を出すことができていない。2月12日の「NEXT GENERATION MATCH」(対川崎U-18)はベンチ。「第37回静岡県ヤングサッカーフェスティバル」の静岡県ユース選抜戦は後半23分から出場したものの、前日が卒業式でトレーニングできていなかったこともあって、思うようなプレーができなかった。

 静岡の観衆の前で「できて良かったです」と振り返った一方、「自分の武器とかを短い時間の中で出そうと思っていました。(でも、)動けなかったですね。もうちょいできたと思います」と悔しがった。ここまでの活動では静岡学園と異なるスタイルの中、ドリブルでかわし切れなかったりしてしまうシーンも。それだけに、このチームの戦い方に合わせ、その上で自分の力を出し切れるように準備して大学生に挑戦する。

 昨年はJ1クラブへの練習参加も経験。全国大会や日本高校選抜含めて学んだことは、「状況判断がたまに遅い時があるので、1タッチとかも増やしながら、あとフィジカルが足りないと思ったので、フィジカルももっとつけたいなと思っています」。静岡学園の3年間で成長したように、拓殖大でまた自分を磨いてプロ入りを果たす。

「静学はドリブルが特長なので、高校年代でこのドリブルを身につけられたことは武器になると思います。相手の攻撃の芽を潰すことができて、なおかつ前にも上がって得点も決めたいとずっと思っているので、両方兼ね備えていきたい。高校で(プロに)行きたかったんですけれども、行けなくて凄く悔しい思いがあったので、大学ではいろいろなチームから声のかかるような選手になりたいです」。まずはデンチャレで今の自分が大学生相手にどこまで通用するのか試し、学んで、その先の4年間に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2021
●第36回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集

TOP