[3.13 中国高校新人大会準決勝 就実高 0-3 米子北高]

　山陰の名門・米子北高(鳥取)は、昨夏のインターハイ全国2位で、選手権は12年連続出場中。その新チームの主将をMF野田徹生(2年=ガンバ大阪ジュニアユース出身)が務める。

　野田はインターハイで全6試合に出場したボランチ。「与えられたポジションをやるのが一番大事なので、キャプテンとしてどこのポジションでも引っ張っていきたい」と語る野田はこの日、左SBとして安定した守備やフィード、ロングスローを見せ、後半途中からは本職のボランチで決定的なスルーパスを配給した。

　野田は主将としてどのポジションでもチームを引っ張ること、また声がけすることも心がけているという。「自分はあまり人に強く言えないんですけれども、そこも克服して怒るところは怒って、指摘するところは指摘して、褒めるところは褒める。チーム全員から慕われて、スタッフからも信頼を寄せられるようなキャプテンになりたいと思います」と語る。
　
　主将としてチームをまとめるため、普段から仲間と積極的にコミュニケーション。「普段は色々な人に絡んでコミュニケーションを取って、周りの状況を見て、何か些細なことでも気付いたら話しかけるようなことをしています」。そして、ピッチでは米子北の原則である「アプローチ、球際、攻守の切り替え、運動量」を誰よりも表現しようとしている。

　中村真吾監督は「徹生と(昨年からのレギュラーである)福田(秀人)は、何とか自分たちで引っ張っていこうと、意識高くなってき始めている」と語り、彼らが周りの選手たちを巻き込むことを期待する。

　まずは、鳥取県や中国地方で勝つチームになること。そして、全国2位の結果を成し遂げた先輩たちの記録を塗り替えること、選手権日本一になることが米子北の目標だ。野田は今回の中国新人大会に臨むに当たり、前主将のCB鈴木慎之介(3年)からメッセージを受けて刺激に。「新人戦に向けて、『去年負けてしまったので、絶対に勝って欲しい』ということはメッセージを頂いて、さらにモチベーションに繋がったと思います」。課題も残ったが、準決勝を快勝で突破。野田は決勝でもチームをプレー、声で引っ張り、14年以来の優勝を勝ち取る。

(取材・文　吉田太郎)