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[MOM3776]高川学園MF井上陸奥(2年)_中国新人優勝ゴール!先輩のように「決める」選手に

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高川学園高MF井上陸奥は1ゴール1アシストの活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.14 中国高校新人大会決勝 高川学園高 2-1 米子北高]

 先輩MFのように、試合を決める選手になる。1-1の後半35+2分、高川学園高はFW山本吟侍(1年)のスルーパスでMF井上陸奥(2年=サガン鳥栖U-15唐津出身)が抜け出す。

 このシーン、井上はDFラインからのパスを身体の強い山本が収めてくれることを信じていた。江本孝監督の指示通りに少し落ちてからアクションを起こした井上は、「自分が決める」と強い気持ちを持って右足を一閃。距離を詰めてきたGKの右を正確な一撃で射抜いた。

 江本監督が「あんなシュートは見たこと無い」と苦笑し、本人も「あんなシュートは打ったことがないです。吟侍が強いんで収めてくれると思って、あとは自分が走って練習通りでした」。普段は左サイドから縦へ抜け出して左足シュートを打つことが多いが、このシーンでは利き足の右足でシュート。Aチームの公式戦では昨夏のインターハイ予選以来というゴールでチームを優勝へ導いた。

「(ストロングポイントは)縦へのドリブルとスピードです」という井上はこの日、特長である左サイドからの仕掛けでチャンスメーク。後半開始直後にはFW梅田彪翔(2年)へのスルーパスで先制点をアシストしている。

 1得点1アシストの井上が何よりも喜んだのが、ゴールについてだ。「去年だったら自分のポジション(左SH)は西澤(和哉)選手で、ずっと決勝点とか決めていて。去年も(インターハイ予選で自分が)前半出て西澤先輩に代わったりで、後半に決めることがまだなくて、決勝点とかなかったので嬉しかったです」。先輩の左SH西澤和哉(3年)は全国高校選手権3回戦、準々決勝でいずれも交代出場ながら決勝点。同じ左サイドを主戦場とする井上は、決勝で目指していたゴールを決めてヒーローになった。

 俊足ドリブラーは昨年もAチームでプレーしていたが、江本監督の目にはやや自覚が欠けているように映っていたという。それでも、14年ぶりとなる全国3位に入った先輩たちの活躍を刺激に変化。「去年はAチームにいた時は3年生に怒られたり、声出せとかばかりだったんですけれども、今年新チームでAチームに入って、自分で声出したり、みんなに声出させたりするようになりました」。江本監督にも気づかせるような変化が、結果にも結びついた。

 先輩の西澤のように「絶対に決めれる選手になりたい」と井上。そして、「自分が縦に仕掛けてクロスを上げて中の人に決めてもらったり、自分が前半からでもチャンスで決められるようにしたい」と意気込む。大きな自信を得たMFは今後も高い意識でトレーニングを重ね、どの試合でも活躍してゴールを決める選手になる。

(取材・文 吉田太郎)

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