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[ガバナーカップ]青森山田は長崎U-18に1-0勝利も満足感なし。「青森山田がやるべきことをやらないと」

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後半32分、決勝点を叩き込んだ青森山田高MF小柳一斗(8番)をチームメイトが祝福

[3.24 ガバナーカップ兵庫ユースサッカー2022 青森山田高 1-0 長崎U-18 三木防災陸上]

 21年度選手権王者・青森山田高(青森)などを兵庫県の3チームが迎えて行う交流親善大会「ガバナーカップ兵庫ユースサッカー2022」が24日に開幕。第2試合の青森山田とV・ファーレン長崎U-18(長崎)との試合は、MF小柳一斗(2年)のゴールによって、青森山田が1-0で勝利した。

 3月に入ってから本格的に活動がスタートした青森山田にとって、時之栖チャレンジカップ(11、12日)、サニックスカップ(17~20日)と続く春休みの遠征は、プレミアリーグ開幕に向けて重要な意味を持つ。締めくくりとなる今大会は、これまでに出た課題を修正し、チームを仕上げたい所だったが、「試合後に(黒田剛)監督からはサニックスカップから、あまり変わっていないと言われた」(FW小湊絆、2年)。

 課題となったのは、エンジンのかかりの遅さ。「去年チームであれば、立ち上がりにどんどん相手を飲み込んで点が獲れる雰囲気を作れていたし、点が獲れていた。でも、今年はサニックスカップから通じて、前半の序盤にチャンスというか、点が獲れる雰囲気がない」(MF中山竜之介、2年)。

 この日も序盤に主導権を握ったのは、主将のDF古田東也(2年)が「自分たちは来週のプリンス開幕戦に向けて、みんなのモチベーションが高かった」と振り返る長崎U-18。前から奪いに来る青森山田のプレスをかわして前方に展開し、FW菊池陸斗(2年)と(七牟禮蒼杜(1年)の2トップが積極的にDFの背後を狙った。

 前半4分には菊池が右サイドゴール前に展開し、七牟禮がGKの前でボールに触ったが、シュートは枠の上に逸れた。23分には中盤でボールを奪ったMF伊藤小次郎(1年)が左サイドを前進し、中央に展開。MF大山晃生(2年)のタメから、七牟禮がゴールを狙ったが、得点には至らなかった。

 守備でも縦に速い展開を狙った青森山田と対等に渡り合い。「競り合いと雄叫びには自信がある。競り勝つ時に雄叫びを上げる度に調子が良くなり、自信が持てて、モチベーションが上がっていく」と話す古田の声が会場に響いた。

 後半に入ってからは、流れが一変。「前半は後ろで1から組み立てしようとし過ぎていた。ハーフタイムに改善して、できるだけ前で攻撃をしようとなった」(小湊)という青森山田のペースで試合が進んだ。

 サイドから攻め込んで武器であるセットプレーで押し込むと、後半23分には右サイド高い位置でのボール奪取から、MF小野理竜(2年)がクロス。小湊がドンピシャのヘッドで合わせたが、シュートは枠を捉えられない。以降も押し込みながら1点が遠かったが、焦れずに攻め続けると、32分には右サイドから上げた小野のクロスをファーの小柳がダイビングヘッドで合わせてゴール。このゴールが決勝点となり、青森山田が勝利した。


 指揮官が手厳しい言葉を残したサニックスカップの初戦以降は無失点試合が続いているが、中山は現状に満足していない。「無失点が続いているのは良いのですが、決定的なチャンスもサニックスのレイソル戦でも作られている。運に助けられている部分もある。今の所、去年のような打たれたシュートをゼロに抑えた無失点ではない。相手が外してくれると良いけど、プレミアのようにレベルが上がれば一発で仕留められるし、スーパーなゴールも出てくる。自分たちと4バックの所でゴールを隠す守備など青森山田がやるべきことをやらないといけない」。

 EAST王者として迎えるプレミア開幕まで、残るは今大会の2試合しかない。出た課題を少しでも改善し、ガバナーカップ初優勝を達成し、勢いづけるかが好スタートの鍵になりそうだ。

(取材・文 森田将義)

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